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このディスク2019(国内編)No. 261

#05『加藤崇之 / 森の声』

text by Keita Konda 根田恵多

KITAKARA RECORDS ‎– K-33

加藤崇之 – guitar

01.さざ波 to TSUMURA
02.長崎
03.子守唄
04.たなばたさま
05.夢の中でフランスに行った
06.森の声
07.マイ・クリスマス
08.広島
09.ロンドンデリーのうた
10.フリー組曲
11.王妃の思い出
12.泣いて笑って
13.本当の事
14.ボレロ
15.皇帝

all tunes by Takayuki Kato except 4(Kanichi Shimofusa), 9(irlish trad)
photo & design by Teppei Shino
mix & master by Kunihiro Izumi
recorded in 19 June 2019

音色。とにかく音色が良い。良すぎる。

加藤崇之のガットギターソロ3作目。故・津村和彦のギターを用い、八ヶ岳のふもとで録音されたバラード集。八ヶ岳のふもとにあるスタジオで録音され、「あまりにも外が気持ちいいので半分くらいのテイクは外で収録」したという本作には、鳥の鳴き声が入り混じっている。そこに作為は感じられない。ただ森の中に加藤のギターが響き、ごく自然に鳥たちが呼応しているようだ。

じっと聴き入っていると、「たなばたさま」「ロンドンデリーのうた」が耳に飛び込んでくる。なじみ深いメロディによって加藤の音色の美しさが際立って聞こえ、しばし陶然としてしまう。

2019年、筆者が一番聴いた回数の多いディスクは間違いなくこれだ。2020年以降も聴き続けるだろう。

 
 

 
 

根田 恵多

根田恵多 Keita Konda 1989年生まれ。福井県の大学で教員を務める。専門はアメリカ憲法、とくに政教分離、精神的自由権。主な著作に『判例キーポイント憲法』(共著、成文堂、2020年)『教職課程のための憲法入門〔第2版〕』(共著、弘文堂、2019年)など。ただのジャズファン。ブログ http://zu-ja.hatenablog.com/

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