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R.I.P. ゲイリー・ピーコックNo. 270

「GREAT 3」のピーコック・サウンドの挑戦 recording engineer 及川公生

text by Kimio Oikawa  及川公生

録音時、時間の空いた時に、Gary Peacockさんが、「ベースだけど、音に囲まれたような空間に、出来ないか?」と。「では、ブースで録音しますか?」と伺ったら、「いや、自分がベース・サウンドに包まれた、しかも高さ方向に充満したような」。私、どうしたものか、と悩みました。

そこで、音響ハウスのスタジオは天井が高く、これを利用しようと考えた。当然、マイクも変更。ワンポイント・ステレオ収録用のノイマンSM-69 を、ベースを見下ろす位置にセット。ベースをステレオ空間から捉えたことになる。変化がズバリ聴ける <My Favorite Things>。惜しいかな、休憩中の話だったので、全曲、このベースのサウンドが聴けるわけではない。

『Great 3:ビギン・ザ・ビギン』
Aeolus AJCD-S 002 (1994.5.21発売)
菊地雅章 (p)
ゲイリー・ピーコック (b)
富樫雅彦 (ds)

  1. Summertime 7:17
    2 Skylark 3:28
    3 Waltz Step 6:04
    4 Misty 6:55
    5 My Favourite Things 9:17
    6 Kansago-No 4:16
    7 Begin The Beguine 5:10
    8 Coral Spring 7:39
    9 Laura 5:38
    10 Bley’s Triad 2:39
    11 Home On The Range 5:04録音:1994.4.1&2 @音響ハウス、東京
    エンジニア:及川公生

及川公生

及川公生 Kimio Oikawa 1936年福岡県生まれ。FM東海(現 東京FM)技術部を経て独立。大阪万国博・鉄鋼館の音響技術や世界歌謡祭、ねむ・ジャズ・イン等のSRを担当。1976年以降ジャズ録音に専念し現在に至る。2003年度日本音響家協会賞受賞。東京芸術大学、洗足学園音楽大学非常勤講師を経て、現在、音響芸術専門学校非常勤講師。AES会員。

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