「GREAT 3」のピーコック・サウンドの挑戦 recording engineer 及川公生
text by Kimio Oikawa 及川公生
録音時、時間の空いた時に、Gary Peacockさんが、「ベースだけど、音に囲まれたような空間に、出来ないか?」と。「では、ブースで録音しますか?」と伺ったら、「いや、自分がベース・サウンドに包まれた、しかも高さ方向に充満したような」。私、どうしたものか、と悩みました。
そこで、音響ハウスのスタジオは天井が高く、これを利用しようと考えた。当然、マイクも変更。ワンポイント・ステレオ収録用のノイマンSM-69 を、ベースを見下ろす位置にセット。ベースをステレオ空間から捉えたことになる。変化がズバリ聴ける <My Favorite Things>。惜しいかな、休憩中の話だったので、全曲、このベースのサウンドが聴けるわけではない。
『Great 3:ビギン・ザ・ビギン』
Aeolus AJCD-S 002 (1994.5.21発売)
菊地雅章 (p)
ゲイリー・ピーコック (b)
富樫雅彦 (ds)
- Summertime 7:17
2 Skylark 3:28
3 Waltz Step 6:04
4 Misty 6:55
5 My Favourite Things 9:17
6 Kansago-No 4:16
7 Begin The Beguine 5:10
8 Coral Spring 7:39
9 Laura 5:38
10 Bley’s Triad 2:39
11 Home On The Range 5:04録音:1994.4.1&2 @音響ハウス、東京
エンジニア:及川公生