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R.I.P. チック・コリアNo. 275

RIP Chick Corea by photogtrapher 米田泰久

text and photos by Yasuhisa Yoneda 米田泰久

チックを最初に聴いたのは1972年だったと思うが、虎ノ門にあったクラブ500。ポリドールの当時の担当矢野さんの勧めで。翌年はスタンリー・クラークとのデュオで同じクラブ500で聴いた。この時はテレコを持参して録音。あとでチックに請われてテープを提供した。
マンハッタンのクラブ・サヴォイでチックのコンサートを聴いた時は会場でリー・コニッツと出会い、驚いた。チックとコニッツの取り合わせに驚いたのだが、同時にチックの偉大さを感じたのも事実。
1986年、ライヴ・アンダー・ザ・スカイでのチックとハービー・ハンコックのデュオ、チックからのソロを受けたハービーが突然いままでの流れとは関係のないソロを猛然と弾き出しチックが唖然。気付いたハービーが流れを戻し、チックが安堵の表情に戻ったのを鮮明に覚えている。終演後ハービーにどうしたの?と聞いたら、わかったのかって。客席からは見えなかっただろうけど、撮影でステージ下にいたから顔の細かい表情は手に取るように分かるんだ。肩をすくめたハービーとはそれ以来、打ち解けた仲になった。
稲岡さんの依頼でドイツの雑誌の表紙用に増上寺で撮影したが、その夜、聴いたRTFはあまり良くなかった。この時がチックの生に接した最後だっただけに残念。
1995年2月、チックとキース・ジャレットの共演は筑波のNovaホールまでバイクを駆って取材に飛んだのだけど、2階席背後の調光室のガラス窓を通してしか撮影を許されず残念ながら公開できるような写真は撮れなかった。
1998年8月、ひたちなかのオーシャン・ブルー・ジャズ・フェスが台風で流れた時、出演者はホテルで1週間ほど缶詰になった。そのとき、チックは居合わせたキューバのピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバに彼の特殊奏法について実演付きで教えを乞うていたのを目撃した。チックほどのピアニストが、と思いながら見ていた。

© Yasuhisa Yoneda

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