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R.I.P. カーラ・ブレイNo. 308

「Lawns」by bassist 納 浩一

text by Osamu Koichi  納 浩一

カーラ・ブレイが亡くなりました。
1936年生まれなので、87歳。でも大往生と言えるのではないでしょうか?

彼女の演奏は、東京のサントリーホールでの、ステーヴ・スワローとのデュオのコンサートで見ました。
公私共に仲睦まじいお二人で、それはそれは素敵なコンサートでした。
舞台袖から二人で手を繋ぎながら現れ、演奏が始まってもその息の合い具合は、単なるピアニストとベーシストという関係をはるかに越えているように感じました。

二人とも決して派手なプレイはせず、ただただ淡々と音を紡いでいく、でも音楽はじわっ、じわっと温かくなっていく、そんな演奏でした。
彼女の書く曲も本当に素敵で、この二人のデュエットのアルバムや、また大人数を従えての彼女のユニットのアルバムも、ボストンにいる頃から本当によく聞きました。

そのなかでも〈Lawns〉はぼくの大好きな曲で、ライブでももう何度も演奏しましたし、レコーディングでも収録させてもらいました。
昨年若くして亡くなったピアニスト、細川正彦さんと共同制作したアルバム『Little Song Book』(CMS) に収録させてもらったのですが、今となっては作曲者も共演者も、二人ともいなくなってしまいました。本当に寂しい。

そんなお二人に弔意を込めて、その〈Lawns〉の録音をアップさせていただきますので、是非聴いてみてください。

そして改めてカーラ・ブレイさん、お疲れ様でした。
素敵な音を、本当にありがとうございました!

安らかに。


納 浩一 Koichi Osamu: Bassist
京都大学卒業後、バークリー音楽大学に留学。1987年に同大学作曲編曲科を卒業。1996年~2008年にわたって、渡辺貞夫グループのレギュラー・ベーシスト務めた。1997年7月、初リーダーアルバム『三色の虹』を、2007年に2作目のリーダーアルバム『琴線/ The Chord』をリリース。2022年7月、総勢36名のミュージシャンを集めて作った2作目のリーダーアルバム『CODA』を発表。プロデュース、作曲、作詞、編曲全てを手がける。またジャズのスタンダード集「ジャズスタンダード・バイブル1・2」「ジャズスタンダード・バイブル・フォー・ボーカル」「ジャズ・スタンダード・セオリー」(リットーミュージック)を出版。
オフィシャルホームページ osamukoichi.net

【納 浩一BLOGより】 ピアニスト 細川正彦さんが先日、突然亡くなりました。

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