R.I.P. Carla Bley by 千葉史絵
先日亡くなられたCarla Bley氏の追悼特集に書かせていただくにあたり 、まず、ご冥福をお祈りいたします。
私よりCarla(以後敬称略)の音楽に詳しい方もたくさんいらっしゃる中で恐縮ですが、私の彼女の音楽との出会いなど綴らせていただきます。
Carlaの曲との出会いは多くの方同様「Lawns」だと思う。カルテットやトリオのインストで演奏した。おだやかにすすむシンプルなメロディがしだいに心に広がっていく素晴らしい曲。その後ヴォカリストの方との共演で、ステキな歌詞もあることを知る(Carlaの本人のではなく、数人の方が書かれているみたいですね)。
もう一つの出会いはSteve Swallowからだと思う。ECM繋がりでCDを聴くうちに『Duets』の盤を聴く。その中の「Ladies in Merccedes」はもちろん「Útviklingssang」も大好きな曲、大好きな演奏の一つになった。
そして私の中の彼女への印象は、素晴らしい作曲家だということでもある。自分としてもいつか自分のバンドでbig bandのような大きな編成をやってみたいと思うようになる中で『Big Band Theory』を聴く。その中の「Birds of Paradise」はホーンセクションにviolinも取り入れた作品で、当時の私にはとても衝撃的で繰り返し聴いた曲の一つだった。
カーラはその他も『The Very Big Carla Bley Band』、『The Carla Bley Big Band Goes to Church』、『Looking for America』、などたくさんのbig bandでのリリースをしている(私が知らないだけでもっとあるかも…)
その他でいうと、『Trio』だと思う。大好きな「Útviklingssang」がAndy Sheppard、Steve Swallowとのトリオで切々と演奏されているのがたまらなくて、これを書きながら久しぶりにこのアルバムを聴いているが、改めて素晴らしいアルバムだなと思う。
彼女の死はあまりにも悲しいけれど、本当に素晴らしい曲と演奏をたくさん残してくれてくれた彼女に尊敬と感謝しかない。
あともう一つ、ご存知の方も多いと思うけれど、ずっと以前からSteveとの共同ウェブサイトに両氏のリードシートが無料公開されている(ピッグバンド譜などは有料だけど)。楽譜についてはいろんな考え方があると思うのでいろんな方法、人それぞれでいいと思うけれど、私は2人のオープンで優しいところも大好きなところの一つだ。
千葉史絵 Fumie Chiba: ピアニスト、作編曲家。
埼玉県出身。6歳よりクラシックピアノを始める。大学卒業後ジャズピアノを大石学氏、西由貴子氏に師事。作曲を現代音楽作曲家の池田悟氏に師事。
現在都内ライブハウスでオリジナルやスタンダードのライブを行う。ヤマハPMS講師。
2009年6月27日、トリオでアルバム「Tip of dream」発売。
2009年横濱JAZZ プロムナードコンペティションにて自己のトリオで出場、JAZZクラブ賞受賞。
2012年9月John Lennon Songwriting Contestにてオリジナル曲“Echo”がファイナリスト入賞。
2013年7月T-TOC Records CADENZAレーベルよりトリオのCD『Echoes』発売。
2014年International Songwriting Competitionにてオリジナル曲“ringlight”がセミファイナル受賞
2015年7月、ソロからセプテットまでの編成で臨んだミニアルバム『Rougequeue』発売。
2016年、all originalで管楽器とボイスを含めたセクステットで録音した『Beautiful days 』発売。
2017年International songwriting competition にて“朝焼けの歌(ASAYAKE)”がセミファイナル受賞。
ウサギ好き。カレー好き。整理整頓が苦手なA型。
公式ウェブサイト ライブ情報