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2/28公開 映画『Music for Black Pigeons』
『ミュージック・フォー・ブラック・ピジョン〜ジャズが生まれる瞬間』

Text by Hideo Kanno 神野秀雄

『Music for Black Pigeons』
『ミュージック・フォー・ブラック・ピジョン〜ジャズが生まれる瞬間』

(2022年/デンマーク制作/92分/配給 ディスクユニオン)
Directors: Jørgen Leth and Andreas Koefoed
Producer: Emile Hertling Péronard (Ánorâk Film)
Editor: Adam Nielsen
Sound: Peter Albrechtsen
Cast:Joey Baron, Jakob Bro, Anders Christensen, Jon Christensen, Andrew Cyrille, Manfred Eicher, Bill Frisell, Larry Grenadier, Arve Henriksen, Søren Kjærgaard, Lee Konitz, Joe Lovano, Marilyn Mazur, Palle Mikkelborg, Thomas Morgan, Paul Motian, Jorge Rossy, Ben Street, Craig Taborn, Midori Takada(高田みどり), Mark Turner, Jesper Zeuthen

デンマークの映画監督、アンドレアス・コーフォードとヨルゲン・レスが、ECMで活躍するデンマークのギタリスト ヤコブ・ブロの音楽の旅を14年間にわたって追ったドキュメンタリー映画『ミュージック・フォー・ブラック・ピジョン』が2025年2月28日より順次全国で公開される。撮影はヨーロッパ、アメリカ、日本で行われ、パワーステーション at バークリーNYC(旧アバター・スタジオ)やルガーノなどでのアルバム録音の現場、作曲をする瞬間、ニューヨークやグリーンランドなどでのライヴを含めその音楽的な瞬間を魅せながら、マンフレート・アイヒャーやトーマス・モーガン、高田みどりなどのインタビューから珠玉の言葉を引き出す。インタビューをつないで無理矢理ストーリーを作ろうなどとはせず、美しく繊細な音楽と、ミュージシャンたちの語りと、時間が自然に進行していく。公開までに亡くなったヨン・クリステンセン、ポール・モチアン、リー・コニッツらの最後期の演奏、日常とインタビューも貴重なものとなった。特にリー・コニッツの姿を長く克明に記録している。音楽の瞬間瞬間を捉える画像も自然で美しい音響とぜひ劇場で体感していただきたい映画だ。

上映前の1月、NYC Winter JazzFestで、映画の主人公となるヤコブ・ブロと話すことができた。このときは、マーク・ターナー、クレイグ・タボーンを擁する日本では観られないドリーム・バンドだった。ヤコブは「3月には日本に行きます」と日本語で語っていたが、3月8日と9日にヤコブ・ブロを映画館に招いてイベントを行うことも決定している。詳細を待ちたい。
ヤコブはとにかく日本が大好きで、「少しの期間、日本に住んでみたい」とも語っていた、ゲイリー・ピーコックの京都・蹴上滞在が後に大きな意味を持ったのとも同様に、そして『ミュージック・フォー・ブラック・ピジョンズ』に続く新しいヤコブの音楽の旅が日本やアジアのミュージシャンとともに続いていくことを楽しみにしたい。

映画『ミュージック・フォー・ブラック・ピジョン ——ジャズが生まれる瞬間——』誕生秘話 | ヤコブ・ブロ インタビューが公開されているので参照されたい。

公式ウェブサイトで、詳細と上映情報を参照されたい。

【2025年2月28日上映開始 映画館】
ヒューマントラストシネマ渋谷
シネ・リーブル池袋
アップリンク吉祥寺
センチュリーシネマ(名古屋)
アップリンク京都
テアトル梅田


L+R: © Ánorâk Film Denmark ApS

<Song for Nicolai>
Palle Mikkelborg(tp), Jakob Bro(g), Thomas Morgan(b), Jon Christensen(ds)

Interview with Jørgen Leth, Andreas Koefoed & Jakob Bro at FRED Film Radio

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特集『ECM: 私の1枚』
R.I.P. リー・コニッツ (1927-2020)
R.I.P. ヨン・クリステンセン (1943-2020)

神野秀雄

神野秀雄 Hideo Kanno 福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。Facebookグループ「ECM Fan Group in Japan - Jazz, Classic & Beyond」を主催。ECMファンの情報交換に活用していただければ幸いだ。

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