#1459『Kubikmaggi / Things』
text by Narushi Hosoda 細田成嗣
Ulitka Records – U 030
Ksenia Fedorova: vocals, piano, gusli
Max Roudenko: bass, melodica
Ilya Varfolomeev: drums, percussion
Alexander Timofeev: saxophone
Choir(track3): Artem Kochurov, Aydar Abdrakhmanov, Ilya Varfolomeev, Max Roudenko, Vlad Avy, Egor Yurkevich
- Japanese
- Gusli
- Schostak
- Pompeii
- Summertime [Vlad Avy ]
- Hangar
Producer: Max Roudenko, Engineer: Henning Svoren, Photography by Fittingoff, Recordied by Daniil Koronkevich, Mixed by Max Roudenko, Mastered by Alan Silverman
Pressed by ООО “Маркон”, Recorded at Ocean Sound Recordings, Mastered at Arf! Mastering
2003年に結成されたKubikmaggiは、ロシア・サンクトペテルブルクを拠点に活動するジャズ・ロック・バンド。何度かのメンバーの変遷を経て2008年にファースト・アルバムを発表、今作が三枚めのアルバムとなる。しばらくはピアノ・トリオ編成で活動していたようであるが、本盤ではサクソフォンが加わったワンホーン・カルテットになっている。とはいえ曲によってはヴォーカルも入っていて、さらに鍵盤ハーモニカやロシアの伝統楽器グースリなども駆使した多彩なサウンドを聴かせてくれる。演奏は上原ひろみを思わせるプログレッシヴ・ジャズ・ロックな音像に、フリー・ジャズや音響派の要素も入り混じった内容で、職人技の生演奏による折衷主義の極北をいくような音楽だ。もちろんジャンルの掛け合わせそのものは目新しいものではないが、囁くような歌声とグルーヴィーなリズムには、現在の新しいジャズの動向とも共振する面白さがある。