#459 『山田唯雄 / 1.0 (one)』
text by Kimio Oikawa 及川公生
シルフィードレコーズ SREC0101 ¥2500(税別)
山田唯雄 (g)
1. 記憶の告白 –ギター独奏のための– (伊藤彰)
2. プレリュード (ポンセ)
3. チャッコーナ(ヴァイオリン・パルティータ2番 BWV-1004) (バッハ)
4. パッサカリア (タンスマン)
5. 大ソナタ・エロイカ (ジュリアーニ)
6. 麗しき小川の岸辺の主題による序奏と変奏 (ソル)
7. 序奏とカプリス (レゴンディ)
8. ノクターナル (ブリテン)
2018年1月16-17日 かながわアートホールにて録音
プロデューサー:竹内永和、樋浦靖晃
ディレクター:竹内永和
録音 & マスタリング:近藤秀秋
アコースティック・ギターの録音は、身近に接する音源でありながら、録音は難しい。シンプルな楽器だが、難題を押し付ける難しさを克服した名録音と言える。この録音からは、曲の雰囲気を音色で表そうとした努力の結果が聴き取れる。エッジを立てて生より生々しい音色に。落ち着いていて、近距離でもこうでありたいと理想の音色で表現。サウンドチェックに時間を要した録音と推察。ダイナミックな表現はマスタリングに任せたなと。ギターの構造からの録音の視点を、エンジニアも熟知していることを知る録音だ。演奏上、雑音が気になる楽器ながら、うまく逃げている。音像をそれほど広げない表現もいい。