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及川公生の聴きどころチェックNo. 245

#459 『山田唯雄 / 1.0 (one)』

text by Kimio Oikawa 及川公生

シルフィードレコーズ SREC0101  ¥2500(税別)

山田唯雄 (g)

1. 記憶の告白 –ギター独奏のための– (伊藤彰)
2. プレリュード (ポンセ)
3. チャッコーナ(ヴァイオリン・パルティータ2番 BWV-1004) (バッハ)
4. パッサカリア (タンスマン)
5. 大ソナタ・エロイカ (ジュリアーニ)
6. 麗しき小川の岸辺の主題による序奏と変奏 (ソル)
7. 序奏とカプリス (レゴンディ)
8. ノクターナル (ブリテン)

2018年1月16-17日 かながわアートホールにて録音

プロデューサー:竹内永和、樋浦靖晃
ディレクター:竹内永和
録音 & マスタリング:近藤秀秋


アコースティック・ギターの録音は、身近に接する音源でありながら、録音は難しい。シンプルな楽器だが、難題を押し付ける難しさを克服した名録音と言える。この録音からは、曲の雰囲気を音色で表そうとした努力の結果が聴き取れる。エッジを立てて生より生々しい音色に。落ち着いていて、近距離でもこうでありたいと理想の音色で表現。サウンドチェックに時間を要した録音と推察。ダイナミックな表現はマスタリングに任せたなと。ギターの構造からの録音の視点を、エンジニアも熟知していることを知る録音だ。演奏上、雑音が気になる楽器ながら、うまく逃げている。音像をそれほど広げない表現もいい。

及川公生

及川公生 Kimio Oikawa 1936年福岡県生まれ。FM東海(現 東京FM)技術部を経て独立。大阪万国博・鉄鋼館の音響技術や世界歌謡祭、ねむ・ジャズ・イン等のSRを担当。1976年以降ジャズ録音に専念し現在に至る。2003年度日本音響家協会賞受賞。東京芸術大学、洗足学園音楽大学非常勤講師を経て、現在、音響芸術専門学校非常勤講師。AES会員。

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