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及川公生の聴きどころチェックNo. 256

#537『Sam Rivers Trio / Emanation』
『サム・リヴァース・トリオ/エマネイション』

text by Kimio Oikawa  及川公生

NoBusiness Records NBCD 118

Sam Rivers – tenor and soprano saxophones, flute, piano
Cecil McBee – bass
Norman Connors – drums

1. Emanation. Part I  31:09
2. Emanation. Part II  45:32

Recorded 3rd June, 1971 at the Jazz Workshop, Boston
Original recording produced by Ed Michel
Re-mastered by Arūnas Zujus at MAMA studios


テナー、ソプラノは一定の音圧感で捉えられていて、近接感の中にサウンド持続感が心地いいのだ。しかもセンター音像でしっかり定位。技は、ドラムスとベース。距離感があって、遠い残響が空間を遊泳する感触となる。参考になるミックス技術だ。音源のダイナミックスを利用して、音圧の上がる場では音像は左右に拡大。音像定位を音源の抑揚に仕掛けとしている。ベースにもわずかにそのミックスを感じる。

及川公生

及川公生 Kimio Oikawa 1936年福岡県生まれ。FM東海(現 東京FM)技術部を経て独立。大阪万国博・鉄鋼館の音響技術や世界歌謡祭、ねむ・ジャズ・イン等のSRを担当。1976年以降ジャズ録音に専念し現在に至る。2003年度日本音響家協会賞受賞。東京芸術大学、洗足学園音楽大学非常勤講師を経て、現在、音響芸術専門学校非常勤講師。AES会員。

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