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及川公生の聴きどころチェックNo. 222

#302 『早坂紗知/2.26 バースデイ・ライブ 30周年 feat. 山下洋輔』

Nbagi/ボンバ N-014  ¥2500

早坂紗知 (as, ss, arrangement)
山下 洋輔(p)
類家心平(tp)
RIO (bs)
永田 利樹(b)
本田珠也(ds)

1. ミケランジェロ70 (Astor Piazzolla)
2. バンスリカーナ (Yosuke Yamashita)
3. カナビスの輪2016 (Sachi Hayasaka)
4. 「新世界」より (Antonín Leopold Dvořák)
5. ベター・ギット・イット・イン・ユア・ソウル (Charles Mingus)

2016年2月26日 江古田 Buddyにてライヴ録音

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各楽器の特質を明瞭に捉えた明解録音。表現しようとしているサウンドが明確なので面白い。ライブ空間が醸し出す楽器の響き、デッドに迫る楽器の鋭い表現。この混在が、たまらない。痛快だ。惜しいのは音像空間の組み立て。センターに音像が集中。しかし、これが制作の意図かもしれない。音楽を聴いていると、それが否定できない。ドラムのソロで、それを強く感じる。センター集中だからこそ得られる音圧感。

個別で注目はアルトとソプラノ・サックスの音色。この楽器、音像が引き立たない経験の多い筆者。ここでは何事もなく浮き上がっている。
多彩なサウンドの持ち主集団。それが生き生きと表眼されていて、痛快。

及川公生

及川公生 Kimio Oikawa 1936年福岡県生まれ。FM東海(現 東京FM)技術部を経て独立。大阪万国博・鉄鋼館の音響技術や世界歌謡祭、ねむ・ジャズ・イン等のSRを担当。1976年以降ジャズ録音に専念し現在に至る。2003年度日本音響家協会賞受賞。東京芸術大学、洗足学園音楽大学非常勤講師を経て、現在、音響芸術専門学校非常勤講師。AES会員。

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