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Concerts/Live ShowsReflection of Music 横井一江No. 302

Reflection of Music Vol. 91 Moers Festival 2023

メールス ・フェスティヴァル 2023
Moers Festival 2023
iPhoto & text by Kazue Yokoi  横井一江


やっと新型コロナウイルス感染症対策としての入国制限などの水際措置が撤廃されたこともあり、4年ぶりにメールス・フェスティヴァルに出かけることにした。第50回には出かけるつもりがコロナ禍のためにストリーミングでの閲覧になり(→リンク)、50周年という節目の年であった昨年も出かけることは叶わなかったのでリベンジである。

まだ、コロナ前の水準に達してはいないもののメールス・フェステヴァルには人が戻ってきていた。サブ会場は屋外にあり、音楽フェスティヴァルが目的ではないものの聖霊降臨祭の連休にここにやってきてキャンプしながら過ごす人々も居るだけに、4日間気持ちのよい晴天が続いたのは幸運だったと言えるだろう。

今年のテーマには、REVOLUTION、AFRICA、VALUE、LIBERATIONと共にKYLWIRIAという言葉が掲げられていた。KYLWIRIAとはリゲティが5歳から13歳の間に作り上げたユートピアで架空の国。リゲティ生誕100年を記念して、メールスでしかあり得ないリゲティにまつわる多彩なプログラムが組まれていたことは特筆に値する。AFRICAと言っても、単にアフリカ人ミュージシャンが出演するだけではなく、いくつかのプロジェクトにはそれに繋がるテーマ性があった。そしてLIBERATION、イランやロシアのミュージシャンの名前があり、2020年に来日したアレクセイ・クルグロフ(→リンク)とも再会できたことは嬉しい。VALUEプログラムはゲイリー・バーツ、今年80歳を迎えるギュンター・ゾマー、ギャビン・ブライヤーズ・アンサンブル、レジェンドではソ連のフリージャズを語るときにまずその名前が出てくるヴャチェスラフ・ガネーリン(イスラエル在住)もガネーリン・トリオ・プライオリティーで出演。REVOLUTIONということでは、単に革新的な表現を試みる出演者がいたということだけではなく、バーチャル空間を取り込むなどフェスティヴァルの総合的なあり方へのチャレンジでもあるように思えた。

主会場のイベントホール、屋外ステージ、早い時間にセッションが行われた学校の中庭、教会など複数の会場で100近いコンサート、そして子供向けのワークショップが行われた。全てを見ることはとうてい不可能だったが、第一報として歩き回った界隈やステージをスライドショーにまとめた。フェスティヴァルの詳報およびステージ写真は次号にて。続く…

 


May 26, 2023

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May 27, 2023

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May 28, 2023

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May 29, 2023

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横井一江

横井一江 Kazue Yokoi 北海道帯広市生まれ。音楽専門誌等に執筆、 雑誌・CD等に写真を提供。ドイツ年協賛企画『伯林大都会-交響楽 都市は漂う~東京-ベルリン2005』、横浜開港150周年企画『横浜発-鏡像』(2009年)、A.v.シュリッペンバッハ・トリオ2018年日本ツアー招聘などにも携わる。フェリス女子学院大学音楽学部非常勤講師「音楽情報論」(2002年~2004年)。著書に『アヴァンギャルド・ジャズ―ヨーロッパ・フリーの軌跡』(未知谷)、共著に『音と耳から考える』(アルテスパブリッシング)他。メールス ・フェスティヴァル第50回記。本『(Re) Visiting Moers Festival』(Moers Kultur GmbH, 2021)にも寄稿。The Jazz Journalist Association会員。趣味は料理。当誌「副編集長」。 http://kazueyokoi.exblog.jp/

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