Jazz and Far Beyond
いかに辛口の評価を下そうと、ジョン・コルトレーンの残した音楽は不滅であり、半世紀以上も前の演奏がこうして世界中のジャズ・ファンの注目を浴びる彼の偉大さをいま改めて思わずにはいられない。
還暦記念『月刊藤井郷子』をリリース中の藤井郷子。同世代の衰えぬ創造意欲に、私はいつもその元気さを少しばかり分けてもらっている。
新作『Fullmoon』、そして女性ジャズプレイヤーとして生きることについての、ステファニー・リチャーズへのインタビュー。
ミュージシャンにしてレーベル・オーナー/イベント・オーガナイザー、レント・ロムスによるアメリカ西海岸即興シーンの今を伝える連載がスタート。結成40周年を迎えたロヴァ・サクソフォン・カルテットなどをフィーチャー。
Untamedと言うのは、野生の、という意味になる。やはりサファリなどアフリカをイメージした曲なのかも知れないが、『Afrodeezia』に収録されているようなルーツ色は薄く、自然にバックビートでグルーヴする曲、なのだが、初めて聞いた時一体この曲はどうなっているのかわからなかたのだ。そんな曲はこのアルバムを通してこの一曲だけであり、即座に楽曲解説の題材にしたいと思った。
左から、マイケル・フォーマネク、トーマス・フジワラ、益子博之、メアリー・ハルヴァーソン、
結局、Nadjaレーベルは内外のアーチストの音源を中心に40タイトル以上の作品をリリースし、アーチスト自身によるいわゆるインディ・レーベルの台頭とともにその役目を終えたのだった。
エラ・フィッツジェラルドとサラ・ヴォーン。ジャズ史上最も有名な女性トップ・ジャズ・ヴォーカリスト達である。レディ・エラとディヴァイン・サラ。ジャズシンガーの女王達の数ある写真の一部から、彼女たちの存在感溢れる姿とファッションを見て欲しい。
今回の企画のポイントは、jazz concerto。オケ(ビッグバンド)とソロイストの協奏だ。しかも、ノンPAでワンポイント録音に挑戦するという。
「高齢者、障がい者、そして赤ちゃん連れ、と色々な人が一緒に楽しめるコンサート、が実は私の理想でもあります」と横田さんは言う。
「世界の歴史は偶然の積み重ねなのか、目的があってこうなったのか....」
「貴方はその問いを解かなければならないわ」
曽根麻央という演奏家がピアニストとして、同時にトランペッターとして、かつ作曲家として、新しい音楽家像を作り上げる期待に胸躍らせる無二の新鋭として登場したことを喜びたい
ウェストコースト・アンダーグラウンドのオリジネーターのひとつロヴァ・サクソフォン・カルテットの40周年記念アルバム。コンポジションにフォーカスし、円熟と野心に満ちた、次の10年への所信表明といえる渾身作。
ロッテ・アンカー、モリイクエ、田村夏樹、そして藤井郷子。あまりにも個性的な音楽家の演奏が、見事な手腕により作曲作品として噛み合って、優れた舞台を観た後のような印象を残す作品。
台湾の雄・謝明諺(シェ・ミンイェン)が、豊住芳三郎、李世揚との即興セッションを行った。極めて自然に汎東アジア的な音の物語を提示してくれるアルバムであり、三者の異なるバックグラウンドや経験を反映してか、サウンドは天地のあちこちをさまよい、そのつかみどころのなさがまた大きな魅力となっている。
ブライアン・キュー、クインシー・メイズ、マーク・バリクによる鮮烈な初リーダー作。曲のひとつひとつが夢、あるいは映画の忘れがたい断片を想起させるように聴こえる。夢の世界を彷徨うようでありながら、音要素の数々は奇妙にリアルに迫るサウンドである。そのギャップが、音楽を開かれたものにしている。
普段ならコンサートが終わればさっさと席を立って家路を急ぐはずの私が、ようとして席から立てないほど感動に身を震わせるのがやっとだった。
地歌ライヴに情熱の限りを注ぎ込んできた藤本昭子の求道会館での最後の姿を目にとどめておこうというファンや支援者たちの一途な思いが、この人、人、人で溢れかえるファイナル公演の異様な盛り上がりを生みだしたといって良いのではないだろうか。
1802人のキャパシティーを持つホールの客席が、この日を楽しみにしていた人々でみるみる埋まっていく。
尾高忠明の指揮はまるで物語を語るように、ときに古いお伽話を語るように絵筆をとって音のキャンバスへオケを滑らせて目を見張らせた。
気鋭の「ジャズピアニスト」・永武幹子が大きな即興演奏の音楽家・齋藤徹に挑んだ。一期一会の相互越境。
録音と音楽的内容が、うまく絡んだ録音である。
エンジニアの思考が聞こえて来る。
ギターのライン収録のエフェクト効果が骨太なので、時に管楽器のアドリブかと、一瞬のサウンド風景が浮かび上がる。
不思議にドラムに適当な空気感があって、これが立体感を造る。
制作意図が作り出すサウンドの世界観が面白い。
クラーベを理解することが世界の音楽との共通言語を習得する早道なのです。
ジャズは鮮度が一番です。ジャズの伝統を尊びながらいつ、何回聴いてもあきることなく、古さを感じさせないアルバムを揃えることができたと思っています。
21世紀のスキッツォイド・ウーマン、ピアニスト&ドラマーの武田理沙が満を持してのデビュー作を8月8日にリリースする。第1作にしていきなりミュージシャンとしての総決算を果たしたかのような濃厚な内容だ。
2018年9月の初来日を前にしたインタビュー。幼少時のこと、ソロ演奏のこと、新録の予定、日本のシーンへの期待を語る。