Jazz and Far Beyond
はたしてSACDはハイレゾ配信に対するフィジカルの救世主になり得るのだろうか、大いに関心のあるところだ。
高瀬アキとダニエル・エルトマンのデュオ・アルバム『ELLINGTON!』(enja yellowbird) に続いて、エルトマンも参加する高瀬のプロジェクトJAPANICの新譜『FORTE』がリリース。
コラム「日常生活する」で、私を名指しして批判した寺島靖国氏に一言もの申したい。
ブラジリアン・ジャズの新生として以前からアマーロ・フレイタスの名前は聞いていたが、今回初めて彼の音楽に触れてみた。予想に反しブラジリアン・ジャズというよりはミニマル音楽とプログレッシブ・ロックとジャズ・ピアノ・トリオの融合をブラジル特有のタイム感で演奏している音楽だった。ヘミオラの嵐だが決して難しい音楽のサウンドではなく、限りなく美しいその様を解説してみた。
日本=ジャマイカ友好関係樹立60周年の今年、映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』を観て、政争を鎮め、ジャマイカの左傾化を食い止めたボブと音楽の力に想いを馳せる。
巡る季節を進むLAL。2019年9月号以降、コロナ禍も潜り抜け数えて通算400本。今月号では、日頃のご愛読に感謝しつつ、時計の針を戻し、如月下旬から弥生中旬に巡った充実の現場6本をご紹介。
奥平自身は一貫してジャズビートの純粋培養的なスタイルでリアルジャズの薫り高いパフォーマンスを展開していて、奥平が創出した空間に共演者たちを遊ばせるという包容力とリーダーシップを感じさせる。
ソプラノサックスとコントラバスのデュオはさほど多くないが、本盤は他のミュージシャンたちも触発しうるほどの作品にちがいない。日本のシーンでも広く共有され聴かれてほしい。
スウェーデンからヴォーカルの超新星登場
菅野邦彦が開発した並列キーボード「oHAIo」は、黒鍵の長さを白鍵に、白鍵の高さを黒鍵に合わせて、すべての鍵盤が同じ長さ・高さで並んでいる。
戦後の紆余曲折を経て、文化施設として利用されるようになったブンカ―・ウルマーヴァルは、ミュージシャンの演奏の場としてだけでなく、音楽、アートについて語る場、議論の場として親しまれるようになる。
クリスチャン・プリュヴォとピーター・オリンズが久々に来日、藤井郷子と田村夏樹とのユニットKAZEにモリイクエを加えた編成でツアー、公園通りクラシックスでの2 daysでは与之乃(琵琶)と石川高(笙)をそれぞれ迎えてライヴを行った。
日本公演全体を通して、オープニングのシングルノートを淡々と繰り返す新曲「Rita」から激しい「Rush Hour」や「Truco」まで、非常に多彩な内容で観客を飽きさせない構成だった。初めての人でもドミニク・ミラーがどういうミュージシャンかよく伝わったと思う。
坂田明とイヌイジュンという「オレとオレ」ゆえの音。それはふたりの「オレ」が突破者でなければ成立しないものだった。
平手裕紀 期待の新トリオ始動
曲ごとの記憶を声で表わし、彼の半生を聴くようだった。PAなしでその声を至近距離で聴けたのは、いつもより大きな満足だった。
吉田隆一のことをバリトンサックス奏者と呼ぶだけでは不十分だ。SFへの深い造詣をもとにした文筆(日本SF作家クラブの理事も務めているのだ!)、サックス奏者たちの演奏法の分析、ラージアンサンブルのプロジェクト、無伴奏ソロなど、八面六臂の活躍ぶりである。