Jazz and Far Beyond
デトロイト・ジャズ・フェスティバル 2016、スタンリー・カウエルはクインテットを率いて出演、見事な演奏を披露した。
マックス・ローチのバンドで出会ったスタンリーと僕の絆は永遠に不滅である。
われわれはカウエルの作品を徹底的に検証する必要があるということです。そこには今後何十年間にもわたって世界中のミュージシャンに資する高度に先進的な宝の山があるということです。
それでも、最高のレコードが残っているので、これからの世代は、ひとりのピアニストがいかにして宇宙全体の可能性を指揮することができるかを見る機会には事欠かないと言えよう。
そのメロディはどこまでも美しく、どこか “内奥の源泉” から紡ぎ出されたものに違いなかった。
<エクイポイズ(equipoise)>とは“完璧にバランスのとれた状態”のこと。それこそがカウエルさんの信条だったのだと思います。
去る2020年12月17日に他界したスタンリー・カウエル、Strata-East レーベルの創始者として歴史に名を残し、また数多くの作品を残したが、ネットに流れたほとんどの追悼記事はカウエルを過小評価されていたアーティストとした。カウエルの演奏を分析しているうちに彼の演奏の特殊性に気が付き、解説を試みた。また、彼が使用していたKymaシステムも解説。
ストラータ・イーストからリリースされるアルバムは、レーベルの意向を受けることなくミュージシャンが本来志向する音楽をストレートに表出することができた。