追悼 セシル・テイラー
text by Kimio Oikawa 及川公生
スタジオにお見えになったその姿が作務衣!
私への事前情報は、「何が起こるか判らないけど、踊りながら音をだすかも…。鳴るモノは構わず鳴らすかも…。」
何事が起きても、音は捉える!全指向性のマイクを用意した。
ピアノに向かわれるやいなや、お香を焚かれた。
鍵盤に向かって、何事か「ブツブツ」と語る。五分間くらい、か。
今の録ってあるか? 聴きたい!。聴き終わって、これは重要なポエムなんだ!
共演の富樫雅彦、一噌幸弘が加わった録音は、全く記憶から抜けている。
あのポエムを録ったこと。一瞬の閃きでレコーダーを回した機転だけが強く印象に残っている。
ご冥福をお祈り致します。