極太のECMベーシスト。パレ・ダニエルソン by 山田良夫
Text by Yoshio Yamada 山田良夫
高校卒業する頃にジャズを聴き始め、何も知識が無く、取り敢えず、Herbie Hancock、Chick Corea、Keith Jarrett
などのレコードを買いました。
20歳になり、ECMにハマり、Keith Jarrettの『Belonging』で、Palle Danielssonのベースに出会いました。その後、Jan Garbarekのアルバムでもよく聴きました。
Keithの<Country>でのPalleのベースソロはコピーしたりして、今でも憶えています。コントラバスを始めて間も無い頃で上手く弾けず、エレキベースで弾いてました。
Keith Jarrett Standards Trioの『Changes』でやっている<Prism>は、Gary Peacockがメロディを弾いていますが、European Quartetの『Personal Mountains』では、Palle Danielssonが弾いています。2023年にピアノの石井彰氏、ドラムスの芳垣安洋氏とこの<Prism>を演奏しました。
ECM のレコードに参加しているベーシストの音色はどれも素晴らしいけど、彼の芯のある太い音も素晴らしい。ソロの歌い方も大好きだし、Keithの<Spiral Dance>のグルーヴがカッコ良くて痺れたなあ。
イメージ的にはあまりハイポジションを多用するタイプではなく、ローポジションで太い音で歌いまくる感じ。速弾きなどもやらないけど、確かなテクニックを持っています。
ドラマーのJon ChristensenやPeter Erskineとのコンビが最高です。バランス感覚が本当に素晴らしいベーシストでした。
77歳だったとの事ですが、最近はあまり名前を聞かなかった。70歳ぐらいまでは演奏されていたのかなあ?
影響を受けたベーシスト達がどんどん亡くなって行くのはしょうがないけど、寂しいですね。
山田良夫 Yoshio Yamada: (作曲、編曲、ベース)
芳垣安洋ファースト・エデション、石井彰トリオ、スピリチュアル・バイブス、中路英明オバタラなどに参加。後にキューバに渡り、オスカリート・バルデスのラテンジャズグループに参加。帰国後、Geomagntic Storm、高島正明とのデュオ、Y.Y’s Especial、Piscesなど7枚のアルバムをリリース。現在キューバ人、日本人混合グループSiNGOなどで参加するかたわら、若い頃にハマったECMに回帰、自らのオリジナル、石井彰氏とのユニットなどを立ち上げる。