Lawnsのこと。 by Shiho ex fried pride
Text by Shiho ex fried pride
昔からこの曲が大好きだった。
カバーしている人もたくさんいるし、皆に愛される素敵な曲。
インストなのにまるで歌みたいに聞こえていた。
シンプルで音数も少なくワンコーラスも短い。
こんな曲が書けたら理想、ってきっとミュージシャンなら思う。
何年も前だが、「そうだ、Lawnsに歌詞があったらきっと素敵に違いない」と思い、大好きなシンガーソングライターShantiに私のために歌詞を書いてくれないか、と頼んだ。
Shantiはすごく素敵な言葉たちを書いてくれた。どんな詞を、って言わなかったのにその当時の私の失恋の苦しさ、切なさを綴ってくれていた。(もしかしたら彼女のストーリーでもあったかもしれない)
歌うたびに胸がギュッとしたけどなんだか昔からLawnsにはこの詞がついていたんじゃないかと思うくらい自然だった。(CDブックレットの対訳を是非見ていただきたい)
ライブで歌うたびにお客さんから「この曲が入ったアルバムがほしい」と言われた。
2019年にソロシンガーとしてファーストアルバムを作ることになり、絶対入れたい曲だったけれど、元々インストなので許諾をとらないといけない。
スタッフさんたちは基本的に「だめかもしれない」と言っていた。
私は、もしもご本人が聴いてダメだというなら諦めようと思った。でもご本人の耳に届かず会社同士の話で終わるなんて絶対嫌だった。
よし、これは個人的に動くしかないと思い、色んな人に訪ねたのだがCarlaさんとの糸がなかなか見つからず。
そんなときにふと思い出したのが友人のシンガーソングライターさかいゆうのこと。
確かJohn Scofieldとレコーディングしていて、その時のベーシストがSteve Swallowだったはず!SteveはCarlaの旦那さん!おおいけるかも!
ゆうにその話をしたら「自分が介入するのはちょっとどうかな」という返事が。
うーんそうか…とちょっと諦めモードだったのだが、それからしばらくしてゆうと呑んだ時、いい感じに酔ってきた頃なんと「おれがSteveにメールしてもいいよ」と言い出した!
あの時ほど酒の力に感謝したことはない 笑。
というわけで、さかいゆうが架け橋になってくれてSteveさんに音源を送ってくれた。
するとSteveさんから返事が!!なんとCarlaと一緒に聴いたよ、と!!
すごく気に入ってくれて是非リリースしてほしい、と言って下さったのだ!!
嬉しくて嬉しくて、そのメールを見たのが朝5時だったけどしばらく寝られなかった。ゆうには心から感謝!!
そしてCarlaさんから
I am most grateful that Shiho has taken such care with my song.
She has cared for it with great sensitivity, and has provided my child “Lawns” with new life.
I offer her my thanks, and “Lawns” does too.
とメッセージをいただいた。
宝物のメッセージ。
私にとってLawnsはそんな思い入れのある一曲なのです。
Lawns –lost and found– 歌詞 (作曲: Carla Bley 作詞: Shanti Snyder)
L: 『A Vocalist』(Lawns –lost and found– を収録、2019年) C: 『COLOR』(2ndソロアルバム、2022年) R: 『さかいゆう/Yu Are Something』(ジョン・スコフィールド、スティーヴ・スワロー、ビル・スチュワート等が参加、2019年) ※以上、編集部加筆
Shiho / Lawns -Lost and Found-
Shiho(vo)、柴田敏孝(p)、鳥越啓介(b)、大槻”カルタ”英宣(ds) =アルバム『A Vocalist』での録音メンバー
「Shiho 忘年会ライブ 2019」 2019年12月27日 目黒 ブルースアレイ・ジャパン
Carla Bley Trio / Lawns
Carla Bley (p), Steve Swallow (b), Andy Sheppard (ts)
Jarasum Jazz Festival 2018 (October 14, 2018 at Jarasym, Korea)
Shiho: Jazz Vocalist
高校生よりジャズピアノ、歌を始め、ギタリスト横田明紀男と出会いライブハウスを中心にFried Prideとしての活動を開始。2001年にFried Prideのボーカリストとして米国Concord (日本ではビクター・エンターテインメント)よりCDデビュー。類いまれな歌唱力を武器にJazzスタンダードからソウル、ロックのナンバーまで唄いこなし、ギタリストとのDUOという独自のスタイルで一躍Jazzのトップシーンの仲間入りを果たす。デビュー後はFried Prideとしての活動をメインに、CD発売はもちろん、2016年12月のFried Pride活動終了(解散)まで、全国各地のライブハウスやJazzフェス、ロックのイベント等に出演、海外でもライブ活動を積極的に行いライブハウスやイベントに多数出演、2016年秋にはオーケストラとの共演など幅広い活動をこなし、セゾンカードのCMソング担当など、「ボーカリストShiho」としての知名度を上げた。
以前からソロ活動も多方面に行っており、ライブやCDのゲスト出演の他に、TV番組ナビゲーター、ミュージカル「RENT」2008、2010に出演、2016年には舞台「Bolero」に唯一のボーカリストとして出演するなど多彩にその才能を発揮している。
2019年6月、初のソロアルバム『A Vocalist』リリース。2022年9月にアルバム『COLOR』をリリース。
公式ウェブサイト shihojazz.net