R.I.P. 和泉宏隆(1958年9月28日〜2021年4月26日) 〜「宝島」作曲者、元T-SQUAREメンバー
[配信] 5/2 メモリアルビデオをプレミア配信、5/5まで公開

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メモリアルビデオ(5月2日〜5日に公開)

Text by Hideo Kanno 神野秀雄

R.I.P. 和泉宏隆 Hirotaka Izumi (1958年9月28日〜2021年4月26日)

ピアニスト、キーボーディスト、作編曲家の和泉宏隆が、2021年4月26日、急性心不全のため62歳で亡くなった。4月28日に所属事務所から公式ウェブサイトMisty FountainやSNSを通じて告知されたが、音楽仲間もファンも突然すぎて現実を受け止められずにいる。前日4月25日にはお茶の水「NARU」で、『Songs from the Heart / 太田剣 with 和泉宏隆』発売記念ライヴに出演していて、筆者はこのライヴにぜひ行きたかったが、スケジュール把握に失敗し近くにいながら行き損ね、次回に行くことを決めたばかりで、和泉の訃報は何かの間違いとしか思えなかったほどだ。

●”和泉宏隆所属事務所よりみなさまへ”

「和泉宏隆は、令和3年4月26日に62歳にて急性心不全により永眠しました。
ここに謹んでお知らせ申し上げますとともに
生前中賜りましたご厚誼に心より御礼申し上げます。

和泉宏隆と和泉宏隆の音楽はいつまでも生き続けます、みなさまとともに。」

※なお、葬儀は故人の近親者のみで行われ、緊急事態宣言下であるため、一般の方の参列を遠慮されたいとのお願いがあった。

●5月2日 09:30 メモリアルビデオをプレミア公開
所属事務所では、式への参列に関する問い合わせを多数受けたため、即急に編集した未公開のライブ映像を含む故人の動画を【Youtubeプレミア公開】で配信することにした。公開日時は、2021年5月2日(日) 09:30で、和泉宏隆 YouTube 公式チャンネルから無料で視聴できる。5月5日(水)までYouTUbeで視聴可能だが、可能であればプレミア公開を同時に鑑賞したい。
「当日はこちらのスペシャル動画をご覧いただきながら、故人をお見送りいただければ幸いです。皆様のご理解とご協力を何卒宜しくお願いします。」(事務所より)

●和泉宏隆のプロフィール
公式ウェブサイト Misty Fountainよりプロフィールを転載させていただく。
(メモリアルビデオのプレミア配信までに早急に告知したいためお許しいただきたい。)
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1958年生れ。4歳でクラシック・ピアノ、6歳でウクレレ、中学ではすでにロックバンド活動と音楽ありきで育ち、高校でビル・エバンスを聴いて以来ジャズ・ピアニストを志す。高校在学中にナイトクラブ等で演奏を始め、その後実力を買われて歌手のサポートやスタジオ・レコーディング等の実績を積みあげてゆく。82年にフュージョン・グループ The Square(ザ・スクエア:現T-Square)に参加。キーボード、作曲、編曲を担当し、グループの黄金期のメンバーの1人として、98年に退団するまでに30枚以上のアルバム制作にかかわる。

88年初のリーダー・アルバム『Amoshe』、97年にソロ・ピアノ・アルバム『Forgotten Saga』をリリース、他のアーティストやサウンド・トラック(TV、ゲーム等)への作品提供、アレンジ、プロデュースなども手がける。

2002年、和泉宏隆のレーベルとしてMisty Fountainを設立し、昨今の活動の原点となるソロ・ピアノ4部作を発表、ソロ活動を本格的に開始する。04年、慶應高校時代の仲間、鳥山雄司、神保彰とのトリオPYRAMIDでもデビューし、19年リリースのアルバム『Pyramid Ⅳ』まで4枚のアルバムを発表する。06年10月に韓国のソウル、LG Arts Centerでソロ名義の韓国公演を行い、音楽番組にも出演する。

12年には石川雅春(dr)と鳥越啓介(b)をメンバーに、ピアノ・トリオThe Water Colorsを稼働、アルバム『しなやかな風』(Sony Music)を発表し、ライブ活動も含めヨーロッパ・ジャズ的独自の世界を提示、さらに同年12月、ソロ・ピアノで映画音楽のカヴァー集『Soundtracks』を発売する。そして14年、スクエアで長きに渡りバンドメイトだったベース奏者の須藤満とのデュオHIROMITSUでアルバムデビュー、ツアーも積極的に展開し、これまでに『6 on 224』、『Wide & Full』の2作を発表、続いて翌15年に吉野弘志(b)をThe Water Colorsに迎えて2ndアルバム『A Return of Saga』を発表する。

現在ソロ活動以外に、 PYRAMID、The Water Colors、HIROMITSUなどの活動も好評を博している。

●和泉の最近のアルバム
近作については、Misty Fountainでの発売作品リストをご参照いただきたい。現在のところの最終リリースは、2020年12月の『Complete Solo Piano Works III』。それ以前には、神保彰、鳥山雄司との『PYRAMID 4』、須藤満との『HIROMITSU / Wide & FUll』をリリースしている。2021年5月に『Songs from the Heart / 太田剣 with 和泉宏隆』のリリースが予定されている。

Complete Piano Works 3 PYRAMID 4  HIROMITSU

●「宝島」〜日本吹奏楽のNo.1人気曲の作曲者として
筆者は和泉の創った音楽に共感し感謝しながら、和泉の最大の功績の一つは、<宝島 / TAKARAJIMA>を作曲したことだと思っている。<宝島>は、1985年10月〜12月に録音され、1986年3月5日リリースされた、THE SQUARE (現T-SQUARE)の11枚目のアルバム『S・P・O・R・T・S』(CBSソニー)に収録。安藤まさひろ(g)、和泉宏隆(keyb)、伊東たけし(as, Lyricon), 田中豊雪(b, synth b)、 則竹裕之(ds, perc)、伊藤八十八のプロデュース。

SPORTS New Sounds in Brass 1987

<宝島>吹奏楽版は真島俊夫編曲により「ニュー・サウンズ・イン・ブラス 第15集」(1987)で世に出て、瞬く間に日本吹奏楽界の空前のスタンダード曲としての地位を確立した。平成以降の吹奏楽経験者ならきっと「宝島」を演奏したことがあり、多くの方にとって思い出の一曲となっている。吹奏楽版の楽譜・CDの出版元の「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」の人気投票で堂々の第1位(真島俊夫編曲<オーメンズ・オブ・ラブ>が第3位)となっている。吹奏楽部定期演奏会でも欠かせない一曲であり、全員参加演奏企画の定番曲でもある。筆者の福島の出身中学校吹奏楽部が、中高生のときからファンだったT-SQUAREの曲を全員で楽しそうに演奏している姿は驚きであり感動だった。<宝島>は、これからも日本の吹奏楽で最高のスタンダード曲として500万人を超える方々に愛され、これから生まれてくる子供たちを含め永遠に演奏され続けると思い、ジャズとしてもスタンダードとして育てばと思う。

和泉の楽曲は美しく前向きになれるメロディーと響きがあり、それぞれの仲間やファンが愛する1曲を持つと思うが、事務局からのメッセージ「和泉宏隆と和泉宏隆の音楽はいつまでも生き続けます、みなさまとともに。」のひとつの表れとして、日本中で世代を超えて愛されている<宝島>に触れさせていただいた。

4月30日、「JAZZ AUDITORIA ONLINE 2021」で羽田空港国際線施設内で、エリック・ミヤシロ率いるブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラが、アルトサックスの本田雅人(元T-SQUAREメンバー)をソリストに「宝島」を演奏して配信し、和泉を追悼した。視聴方法についてはこちら(期間限定で見逃し・リピートも)。

美しい素晴らしい音楽をありがとうございました。

「宝島」和泉宏隆 ピアノソロ at 横浜 Hey-JOE

「宝島」 T-SQUARE / Super Fusion Live in Nagoya (1989)
安藤まさひろ(g)、和泉宏隆(keyb)、伊東たけし(EWI)、須藤満(b)、則竹裕之(ds)

「宝島」 真島俊夫編曲・指揮 吹奏楽版
オールスター吹奏楽団
(東京佼成ウインドオーケストラ、大阪市音楽団、シエナ・ウインド・オーケストラの選抜メンバー)

「宝島」エリック・ミヤシロ編曲・指揮
エリック・ミヤシロ Eric Miyashiro (tp, flgh, piccolo tp) 岡田治郎 (b) 菅沼孝三 (ds)
柏市立柏高等学校 吹奏楽部

●和泉宏隆の演奏動画から
まずは、2020年に開設した和泉宏隆 YouTube 公式チャンネルをご覧いただきたい。その他、ランダムではあるがYouTube上の和泉の動画を紹介させていただく。

和泉宏隆 公式YouTubeチャンネル開設のご挨拶

和泉宏隆Solo Piano Special Liveダイジェスト

倉庫 de ライヴ Vol.8 和泉宏隆 Electric Unit Another Conversation 3
和泉宏隆(keyb) 加藤裕一(b) 石川雅春(ds) 2020年8月8日

和泉宏隆ピアノトリオ~The Water Colors~/Forgotten Saga
和泉宏隆(p)、吉野弘志(b)、石川雅春x(ds)

和泉宏隆 T-SQUARE 演奏集(本田雅人 徹底解析より)
安藤まさひろ(g)、和泉宏隆(keyb)、本田雅人(as, EWI)、須藤 満(b)、則竹裕之(ds)

和泉宏隆&宮本大路 高田馬場ホットハウス 2011年7月23日

神野秀雄

神野秀雄 Hideo Kanno 福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。東京JAZZ 2014で、マイク・スターン、ランディ・ブレッカーとの”共演”を果たしたらしい。

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