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Jazz and Far Beyond

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このパフォーマンス2018(海外編)No. 249

#02 CPユニット @ メールス・フェスティバル2018

text by  剛田武 Takeshi  Goda

反則と言われることを承知で選出したのは、2018年5月18日(金)(日本時間5月19日)ネットで同時中継されたクリス・ピッツィオコス率いるCPユニットのメールス・フェスティバル初日のステージである。朝の3時過ぎにに濃いコーヒーで眠気と闘いながらパソコンの画面で眺めたニューヨークの即興戦士たちの強固な意志に貫かれた数十分間は、間違いなく“今この瞬間のジャズ(Jazz Right Now)”の生のライヴ体験だった。もちろん会場で他の観客と共に同じ空気・同じ臭い・同じ皮膚感覚で観覧するのとは異なるのは確かだが、家族が寝静まった自宅でただ独りで、数万キロ離れた場所で展開される異物感たっぷりのパフォーマンスを、様々な角度から映し出す生きた映像で堪能しながら、聴覚と視覚だけでなく、五感でも第六感でもない未知の感覚が研ぎ澄まされていくのを感じた。20と5分の1世紀に差し掛かった時代、ネット配信はリアルともバーチャルとも異なる同時代的ライヴ・エクスペリアンスとして注目されるべきだろう。(2018年12月11日記 剛田武)

#1528 『Chris Pitsiokos Unit / Silver Bullet in the Autumn of Your Years』

 

 

剛田武

剛田 武 Takeshi Goda 1962年千葉県船橋市生まれ。東京大学文学部卒。サラリーマンの傍ら「地下ブロガー」として活動する。著書『地下音楽への招待』(ロフトブックス)。ブログ「A Challenge To Fate」、DJイベント「盤魔殿」主宰、即興アンビエントユニット「MOGRE MOGRU」&フリージャズバンド「Cannonball Explosion Ensemble」メンバー。

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