『The Thing/鈴木勲&ニューファミリー』の思い出 by 米田正義

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Text by Masayoshi Yoneda 米田正義

オマさんとの仕事で一番印象に残るのは、1979年に『The Thing』(Flying Disk)というアルバムを作った時のことです。

東京の道順もまだおぼろげの中、打ち合わせをするから家に来いと言われました。
当時オマさんは自由が丘の近くの一軒家に住んでいて、言われるままに信号を左折して、細い道を右折しました。
バックシートにはフェンダーローズのエレピとヤマハのギターアンプ。

リビングの床に直接キーボードをおき、アンプに繋ぎました。
オマさんのオリジナル曲は頭の中では完成していますが、それを譜面にするのは僕らの仕事でした。

オマさんの「大体こんな感じなんだよ。」を、B♭7 や D Major などのコードに翻訳していくのは楽しくもあり、人生経験でもありました。
そうやってできた譜面をヴィクタースタジオに持って行ったのが1979年の6月でした。

<The Thing>は最初に録りました、あまりにもスムーズにいったので驚きました。
たぶんあれがオーケーテイクだったはずです。


米田正義 Masayoshi Yoneda – Piano
1950年富山県高岡市生まれ。同志社大学法学部卒。幼児期よりクラシック・ピアノの教育を受け、クラシックのソリストを目指す。同志社大学モダンジャズ・グループにてジャズに巡り合い転向。1972年、宮本直介グループにてプロ・デビュー。以降、杉本喜代志、鈴木勲、松本英彦、向井滋春等のグループにて活躍。日本ジャズ・シーンに他の追随を許さない確固たる地位を築く。美しい繊細なタッチを誇り、作・編曲にも優れ、常にスポンティニアスでしなやかな即興力は無類の存在。丸山繁雄酔狂座には30年以上不動のピアニストとして在籍。数多くの歴史的公演、レコーディングを残す。作・編曲にも優れ、「プナカへの道」「キック・オフ」(丸山繁雄酔狂座)等に、ペンの冴えを見せる。

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