[映画] 『ECMレコードーサウンズ&サイレンス』2024年秋 劇場上映『sounds and silence – Travels with Manfred Eicher』
Text by Hideo Kanno 神野秀雄
映画『ECM レコード – サウンズ&サイレンス』
sounds and silence – Unterwegs mit Manfred Eicher
sounds and silence – Travels with Manfred Eicher
A Film by Peter Guyer and Norbert Wiedmer
「マンフレート・アイヒャーと旅する、、音響と沈黙。」 ECMに心を掴まれたファンには自らの人生を重ねるようなタイトル。2008年前後のマンフレートの旅と現場を追ったドキュメンタリーが、ECM 55周年を記念して2024年秋に公開される。
1969年にミュンヘンで生まれたレーベルECM Records(Editions of Contemporary Music)。そのECM創立者で現役プロデューサーのマンフレート・アイヒャーが、ヨーロッパを中心に音楽を作り出す瞬間を巡っていくドキュメンタリー。旅の出発点がミュンヘンであることは変わらないが、ミュンヘンの空港は、1992年よりフランツ・ヨーゼフ・シュトラウス空港に移転している。また初期ECMを知る人にはオスロ、ルードヴィヒスブルクあたりが思い浮かぶだろうが、2000年入り、イタリアのウディーナ、フランスのペルネ・ル・フォンテイン、エストニアのタリンなど、そして、アテネなどをヨーロッパの外周部へ、そしてアルゼンチンへと旅は続く。レコーディング・スタジオ、コンサート会場、舞台裏や街の片隅へとマンフレートを追う。アルヴォ・ペルト、ディノ・サルーシ、ヤン・ガルバレク、ニック・ベルチュ、マリリン・マズールをはじめとするミュージシャンたち。マンフレートと共に旅をしながら、ECMサウンドがどのように創られているのかを体感する。
この映像作品『sounds and silence – Travels with Manfred Eicher』(ECM Cinema 5050)は、すでにDVDおよびBlu-Rayでリリースされており、ファンからの熱望によりサウンド・トラック・アルバム『Music for the Film – Sounds and Silence』(ECM2250)もリリースされた。
2012年末〜13年始にかけてミュンヘンHaus der Kunstで開催されたECM45周年記念展「ECM – The Sound Archeology」とほぼ同時期でこの展覧会でもずっと上映されていた。記念展のレポートはこちら。また、2019年にECM 50周年記念でニューヨーク・ジャズ・アット・リンカーンセンターで開催された『ECM Records at 50』もこの時期のECMアーティストのショーケースとなっているので参照されたい。
ECMサウンドが、日本のミュージシャンに与えたインパクトについては、特集『ECM 私の1枚』もご参照いただければ幸いだ。
ユニバーサル・ミュージックでは、『ECM 55周年特集』として、「ECM 55 Revisits」=名盤55タイトルを録音年代順にリイシュー、アンコールプレス、映画『ECMレコードーサウンズ&サイレンス』先行上映会招待など、さまざまなキャンペーンをおこなっている。詳細はこちらから。