Jazz and Far Beyond
2023年の夏の終わりも、ニューヨークを訪れた。チャーリー・パーカー生誕ウィークに沸くニューヨーク・ジャズ・シーン。パーカーゆかりのバードランドでの、ケン・ペプロウスキー(cl,ts)のパーカー・ウィズ・ストリングス・トリビュート、ハーレムとイースト・ヴィレッジで開催される31回チャーリー・パーカー・ジャズ・フェスティヴァルは、新鋭、中堅、ヴェテランが、競い合う。最後の夜は1966年の2月7日以来変わらない、ヴィレッジ・ヴァンガードのヴァンガード・ジャズ・オーケストラ。晩夏のニューヨーク・ジャズ・シーンの一週間を、フォト・エッセイで切り取った。
2023年の3月に世を去った、ウェイン・ショーター(ts,ss)。そのミステリアスな魅力を放つ音楽は、永遠に不滅である。1990年代から、その晩年まで、筆者が直接感じたウェイン・ショーター体験を元に、その音楽と、ミステリアスな人柄にも迫る。
ポスト・モダン・ジャズ・ギターの父として、コンテンポラリー・ジャズ・ギターに絶大な影響を誇っている、ジム・ホール。没後10年を迎える今年に、そのラスト・コンサートと、自宅で見せてくれた素顔のジム・ホールを振り返りたい。
2022年8月下旬に、3年ぶりにニューヨークを訪れた。変貌するニューヨークのジャズ・シーンの中で、変わらないチャーリー・パーカー・ジャズ・フェスティヴァルに登場した、滂沱の涙を流す、アーチー・シェップ(ts,vo)。大規模なレコーディング・スタジオが次々と閉鎖するニューヨークで、バークリー音大の教育施設として復活したPower Stationについてリポートする。
2007年1月13日に世を去った、マイケル・ブレッカー。その熱いプレイは、今も色褪せず、輝きをましている。1990年代から、マイケルの撮影を手がけた筆者が、その多くの写真とともに、彼との交流を振り返る。マイケルのスピリットは、生きている。
1986年にヴィレッジ・ヴァンガードで出逢って以来、筆者は、ロン・カーターの重要なレコーディングや、コンサートを撮影してきた。徹底した合理主義者のロン・カーターとの長年の交流から垣間見える、その個性に迫った。
「ジャズとは、瞬間のリアリティである。スタジオ、クラブ、オーディエンス、楽器のコンディション、アーティストのフィーリング、全ての要素が重なって音楽へ結実し、二度と同じことは起こり得ない」と、パット・マルティーノ(g)は語った。1994年の筆者との出逢いから現在までを、膨大な写真と文でつづり、パット・マルティーノの深層に迫る。
ハードバップ期を代表するトロンボーン・プレイヤー、カーティス・フラー。その晩年のハイライト、2018年、故郷のデトロイト・ジャズ・フェスティヴァルで長年の功績が顕彰された。フラーが青春を過ごした、デトロイト時代に迫る。
自らの死を予期した別れのメッセージは、素晴らしい友人たちに恵まれたことへの感謝と、若いアーティストへの暖かい励ましに満ちており、最後までポジティヴな姿勢を崩さない。1988年からチック・コリアの取材を続けていた筆者が、その膨大なストック写真を公開し、偉大なアーティスにして素晴らしい人柄だった故人を偲ぶ。
デトロイト・ジャズ・フェスティバル 2016、スタンリー・カウエルはクインテットを率いて出演、見事な演奏を披露した。
マリア・シュナイダー・オーケストラの5年ぶりのニュー・アルバムとなった『Data Lords』は、”The Digital World”と”Our Natural World”で、陰陽を描く2枚組の大作となった。来年度のグラミー賞ラージ・ジャズ・アンサンブル部門の最有力候補である本作を、マリア・シュナイダー自らが熱く語る。レコーディング直前の、NY大でのリハーサルの写真を公開。
1987年に初めて自宅を訪れてインタビューをして以来、筆者が長くその活動を見守ってきたジョン・スコフィールド。その長年の交誼に感謝して、スコフィールドの音楽の変遷を追う。
2013年に演奏活動から引退した、最後のジャズ・イノヴェーターの一人、ソニー・ロリンズ。その最終章で時間を共にした、写真家/ライターのTak. Tokiwaこと常盤武彦が、巨匠の勇姿と素顔に肉薄したソニー・ロリンズ讃歌。
1988年から2017年まで、ニューヨーク・ジャズの最前線で撮影取材を行ってきた、Tak. Tokiwaこと常盤武彦の新連載。29年のニューヨーク生活で出逢ったアーティストたちについて、貴重な写真とともにその思い出を語る。第一回は、1993年に出逢い、またたく間にコンテンポラリー・ジャズ・ビッグバンドの歴史を革新したマリア・シュナイダーとのエピソード。写真と、インタビューを中心に、彼女の音楽と、その背景に迫ります。