Jazz and Far Beyond
ペーター・ブロッツマンだけではなく、東ドイツ出身のエルンスト・ルードヴィッヒ・ペトロフスキーやヨスト・ゲーバースは、いずれも60年代以降のドイツのフリー・ミュージック・シーン、そしてFMP (Free Music Production) 語る上で重要な人物だった。
ユニバーサルな耳、と言ったらいいのだろうか。新しい表現を模索する人の応援団だったのだろうなあ。
事実、悠さんの守備範囲は広かった。「シャンソン」「コンテンポラリー・ミューシック」…気の赴くままなんでも「食べ歩いた」。
私の知る悠さんは、とても思いやりのある紳士だった。
カーラにはサティやモンポウ、あるいはセロニアス・モンクの作品と同じくらいよく練られた作品がたくさんある。(マンフレート・アイヒャー)
Carla Bleyを初めて聴いたのは、大学のビッグバンドの先輩が部室に持ってきたカセットテープに録音された『Live!』でした。
彼女の死はあまりにも悲しいけれど、本当に素晴らしい曲と演奏をたくさん残してくれてくれた彼女に尊敬と感謝しかない。
真冬の極寒のセッションだったが、この時もカーラの手製のサウンドイッチに救われたのだった。
僕の中ではぽっかり穴が空いてしまった。カーラの残した美しい宝物のような世界に埋もれ現実逃避して、さらに存在感が増す。しかしこの先は新しいものが生まれてくる事はない。
作曲とインプロビゼーションの間に広がる宇宙、どんな楽器もスタイルも取り込んでしまうハッピーな演奏。現代の音楽の世界を豊かに押し広げてくれた。
文筆家は言葉で、音楽家は音で世界のありようを表現する。国境も主義も宗教も超えた問答無用の生命への讃歌。それは人の心の深いところで静かにしかし凛然と響き続ける。
二人とも派手なプレイはせず、ただただ淡々と音を紡いでいく、でも音楽はじわっ、じわっと温かくなっていく。それはそれは素敵なコンサートでした。
美しいサウンドの中には絶妙に配合されたポイズンが彼女特有のエッセンスになり、どれだけの影響を自分に与えてくれたことか。
「私の子供のような”Lawns”に新しい命を吹き込んでくれてありがとう」と宝物のメッセージがカーラより届きました。
カーラの音楽の最大の魅力は、その本質的なエロスにあり、しかも動物的なものというよりは、毒性を持った熱帯性植物に近いような気がします。
プロデュースしていた「東京JAZZ」にカーラに出演してもらうのがずっと夢だった。
カーラは真に「独立」した音楽家だった。ジャズに於けるインディーズの在り様を突き詰め、あらゆる困難に対して一歩もひかない怯まない姿勢を示し通した大きな存在だ。
カーラの70年代は、様々な音楽のエッセンスや個人の才能を取りまとめ一つの流れの中に消化していくことから生まれるものを音楽にする、実験的な工程で作っていたと思っています。
祖父が母に買ってきたSPレコードのすべてを、真っ昼間に毛布を頭からかぶって聴き耽った体験が今の私の根っこに生き続けている。
2023年の夏の終わりも、ニューヨークを訪れた。チャーリー・パーカー生誕ウィークに沸くニューヨーク・ジャズ・シーン。パーカーゆかりのバードランドでの、ケン・ペプロウスキー(cl,ts)のパーカー・ウィズ・ストリングス・トリビュート、ハーレムとイースト・ヴィレッジで開催される31回チャーリー・パーカー・ジャズ・フェスティヴァルは、新鋭、中堅、ヴェテランが、競い合う。最後の夜は1966年の2月7日以来変わらない、ヴィレッジ・ヴァンガードのヴァンガード・ジャズ・オーケストラ。晩夏のニューヨーク・ジャズ・シーンの一週間を、フォト・エッセイで切り取った。
今日本をツアー中のHiromiの新しいバンド、「Hiromi‘s Sonicwonder」の新譜が届いた。このバンドはすごい。特にフランス人ベーシストのHadrien Féraud (アドリアン・フェホー) に思いっきり顎落ち状態になってしまった。収録曲も全て素晴らしい。彼女のユーモアのセンスも充分楽しませてくれた。今回彼女の曲を分析してみて、今まで気が付かなかった彼女の細かい作曲技法を知った。
1940~1950年代のジャズ・ミュージシャン達の着ていた『体を寒さから守る』オーバーコートについて。
巡る季節を進むLAL。今日も佳き音を求めて関東一円を彷徨う独り旅。
今月号では神無月初旬から霜月初旬に巡った充実の現場7本をご紹介。
ヨーロッパではクラシック音楽に対するオルタナティブな音楽としてジャズが市民権を持っている
日本では“Brötzmann, Yagi, Nilssen-Love”だけでなく、さまざまな編成でペーターと共演しました。中でも思い出深いのが2007年の春に東京で開催された『ブロッツフェス 2007』と『ポール・ニルセン・ラヴ〜ピット・イン・セッションズ』でした。
正直言って、どの頁にも引用したい文がある。それだけこの書には悠さんの、批評と、それ以上に思想が凝縮されている。
イギリスの即興演奏家ジョン・ブッチャーの最新作はソロ・アルバム。サックスという楽器による表現をとことん追求して到達したひとつの境地、音世界がここにある。
テリー・ライリーの音楽は、完結しない世界なのか、永遠の安寧としての涅槃なのか。
自由奔放なサックスがリードするスリリングなサウンドには即興ジャズに通じるアヴァンギャルド感覚が溢れている。
マタナ・ロバーツのライフワークともいうべき『Coin Coin』の最新作が発表された。キーワードは「名前」だ。
リー・リトナーの「ダイレクト・レコーディング」シリーズの3作目。「ダイレクト」シリーズ中の最高傑作のひとつ。
リー・リトナー&ジェントル・ソウツのデビュー・アルバム。1977年作品。「ダイレクト・カッティング」盤を最新リマスタリングしUHQCD化して再リリース
リー・リトナーが1977年に「ダイレクト・カッティング」盤として制作したアルバム『ジェントル・ソウツ』の別テイク盤。
エリック・ゲイルの参加した、リー・リトナーの「ダイレクト・カッティング」シリーズ第2弾。初顔合わせのメンバーによるインタープレイを克明に記録した貴重なアルバム。
「ダイレクト・カッティング」でライブ感のある演奏を追求してきたリー・リトナーが、楽器や録音機器のデジタル技術による大きな進化をとらえてそれらを活用し、新しい形でライブ感を表現した一枚
1970年代後半から1980年代にかけ日本国内でブームを巻き起こした「クロスオーバー」「フュージョン」ミュージック。その中心にいたギタリストたちの演奏を集めたコンピレーション・アルバム。
白いもじゃもじゃ髭のエルメートが、助手に助けられて舞台に登場した。楽譜を描いた革の帽子をかぶっている。魔法使いの別名で知られるのはもちろんこの外見からだが、魔法はそれよりも演奏ぶりにあった。
「ジャズは自由な音楽。ジャズの楽しさとパワーを皆に広めたい。この国にはジャズが必要なんだ」
この早稲田ジャズ研、60余年の歴史を有するだけに、OB・OGだけで700名近い人数を擁している。
長沢哲は傑出した打楽器奏者でありながら打楽器奏者らしからぬところがある。そのギャップこそが長沢の本質だ。
音楽はテクニックでもないし、複雑なことでもない。人生のようなものなんだ。人生を語るものだ。どのように感じたか。何が出来るか。演奏する時に悲しい気持ちならば、そう伝わる。
あと2、3年経って、自分たちの音楽が世の中にパッケージングされる時に「オルタナティヴ・ロックです」「ニュー・ジャズです」という風に評価されたら、それでいいかな。
ジャズ・ピアニストRINAが語るフラワーアーティスト曽我部翔とのコラボレーション