Jazz and Far Beyond
メールスで再開したアレクセイ・クルグロフはCDを見せながら、近年の活動について話をしてくれた。
私が大好きな彼の表現の特異な面 “ハラワタ” をさらけ出すことだ。
土取利行によるトリスタン・ホンジンガーとのデレク・ベイリー&カンパニーでの思い出
私の演奏が終わった後、彼は「You are mad」と言い放った。すかさず私も「You too」と言った。
超然とした狂気と世俗的な凡庸に揺れて。
トリスタンが生涯かけて追い求めた、生命の記憶を辿る音の旅はけして熄(や)まないだろう。
トリスタンの演奏も、要所で明確な主題なりフラグメンツを提示するなど、音楽のフォルムを茫洋とさせずに芯を作る技術に長けたものでした。
ホンジンガーはあくまでチェロ一本(時に弓は二本)にこだわった。その集中力は偏執狂的というべきものだった。
アムステルダム。チェロを置いてステージの中心に歩み出てきたホンジンガーは、しゃがみ込み、飛び跳ね、オーケストラを指揮した。メンバーたちも真剣に応じ、みごとなカーニヴァルの空間を出現せしめた。トリックスターの面目躍如である。
トリスタン・ホンジンガーという人間はそれが出来る人だった。そこには人間の尊厳が備わっていると強く感じられた。
私が最初にジャズを意識したのはマイルスでもプーさんでも洋輔さんでもなく、テレビ業界の重鎮だった大橋巨泉氏だった。
念願のCory Henryのライブを観た。Snarky Puppyの<Lingus>の映像を見て以来ずっと彼のライブを観たかった。ハモンドB3奏者として、またシンセサイザー使いとして追従を許さない彼のソロ・ピアノは、予想を遥かに超えて素晴らしいものだった。4歳からプロ活動をしている神童の凄さの解説を試みてみた。
巡る季節を進むLAL。暑さニモマケズ、遠さニモマケズ、今日も関東一円を彷徨う独り旅。今月号では文月中旬から葉月中旬に巡った充実の現場8本をご紹介。
トムとの演奏が難しいのは、その独特のグルーヴの展開に予測がつかないからだろう。
和太鼓演奏は根本が保守的であり、それ以外である必要はない。
ペーターとポール・ニルセン・ラヴとのトリオ結成のきっかけは2006年、ノルウェーのコングスベルグ・ジャズ・フェスティヴァルに絡むちょっとしたアクシデントでした。
その響きは、現代社会と同じく、いや人類の歴史と同じく、調性とノイズのせめぎ合いである。
この
、全てのサックス奏者に「バラッドはこう吹け」と言いたくなる、涙無くしては聴けない珠玉の1曲。その親和性は抜群だし、ユニットとしての統一感もグッド、聴くものを深い寛ぎと安らぎへと誘う。
MPBの生き字引アントニオ・アドルフォがボサノバ運動の主要メンバー、カルロス・リラとホベルト・メネスカルの作品をフィーチャー。
アルバム・タイトルが示唆するとおり、コミュニケーションの極意は「分かりあえなさ」であることを知り抜いている。それ故の同時発話的な自由。演劇的・室内楽的な構築性を保ちつつ、フォーキーかつフリー、等しく個々の断片も光る。/ As the album title indicates, they know the fact that the essence of communication is its impossibilities for mutual understanding, then, followed by “all-at-once-ness” in the chatty but not-crowded mood. While keeping theatrical, chamber music-like constructability, the composition of Tristan Honsinger makes junctures for folky and free approaches, equally emphasize the tension of individual fragment.
緊迫と磊落(らいらく)のあいだを大きく振り切る羅針盤のような3時間。
中村としまるはノー・インプット・ミキシング・ボードから強烈な音を出す人でありながら、自分の音という我を通すわけではなく常に飄々としているようにみえる。このギャップは、状況の変化とそれへの対処を愉しむというスタンスのゆえだ。
ケネス・ダール・クヌーセン 新プロジェクトKemaka Kineticsと最新作『Zunkuft』について語る
ダブリン在住のピアニスト木村泉が、7月にジェリー・ヘミングウェイとの新作『Kairos』 (Fundacja Słuchaj) をリリースした。木村に即興演奏との出会いや現在の活動などについて話を聞いた。
「Hot House」は、平岡正明が「地下鉄東西線の南行徳と行徳のちょうど中間、埋立地の道路横に一軒だけ、ルート66沿いのモーテルでもはめこんだようなネオンが出ているところが、郷間和緒・松井節子のホームグラウンドだ」と評した、千葉県のジャズ磁場だ。松井節子は、開店以来ここでピアノを弾き続けてきた。
『Utsunomia MIX』の制作を進める中「これはアートの革命である」と熱いものがこみ上げてきて、今もその火は燃え続けています。