JazzTokyo

Jazz and Far Beyond

投稿者: 剛田武

InterviewsNo. 227

#153 片山智(NORD):瞑想と見果てぬ夢の内なるサイケデリアを求める地下音楽の先駆者

35年ぶりにデビュー・アルバムがCD化されたノイズ・ミュージックのオリジネーターNORD(ノール)のオリジナル・メンバーが語る地下音楽創世記の意志。
「一番最初のライヴは滅茶苦茶でしたが、マイナーで滅茶苦茶やっている他のバンドよりは、楽器は弾けないにしてもましなことはできるかな、と思いました。昔は楽器も弾けないのに音楽やるとは何様だ、と思っていましたが。自分の感覚だけでやったら、それなりのものが出来た。」

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このディスク2016(国内編)No. 225

この一枚2016(国内編)#01 『V.A./ Japanese Underground Music in the Late 70s and 80s』Special Sampler CD 

重要なことは「地下音楽」は1976〜86年の期間だけに限定される存在ではなく、いつの時代にも必ず在るということである。ジャンルやスタイルに関係なく、何かを生み出そうとする”人”と”場”と”音楽”が交わるときに起こるやむにやまれぬ表現欲求の発露であり爆発である。

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Concerts/Live ShowsNo. 223

#919 Sound Live Tokyo 2016 マージナル・コンソート/ツァイトクラッツァー × 灰野敬二

「貪欲な耳と疲弊した耳のための非挑発的音楽フェスティバル」と銘打って開催されたSound Live Tokyo 2016(以下SLT)のラインナップの中で、ひとつの『集団』として『即興』を核にした表現活動を披露するのが、いずれも1997年に始動したマージナル・コンソートとツァイトクラッツァーである。

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CD/DVD Disks特集『クリス・ピッツィオコス』No. 221

#1338 『Chris Pitsiokos Quartet / One Eye with a Microscope Attached』

クリス・ピッツイオコスたちにとってポップとアヴァンギャルドの境界は存在しない。ジャズもパンクもヒップホップも前衛もすべて等しく「音楽」でしかないという生まれながらに血肉の中に刷り込まれた感覚を武器に世界を撹拌するからこそ、彼らの音は限りなく「リアル」なのである。

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CD/DVD Disks特集 『生活向上委員会2016+ドン・モイエ』No. 220

#1333 『原田依幸 with モンドリアン・アレオパディティカ・ストリング・カルテット / 1983』

盟友梅津和時と袂を分かつことになった原田が、『失楽園』を著して有名なイギリスの詩人ミルトンが1644年、当時の言論弾圧に抗して刊行したパンフレットの書名『アレオパジティカ』に倣って「自由な表現」を求めたように、我々リスナーは「自由な妄想」を追求すべきことを提言したい。

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CD/DVD DisksNo. 218

#1303 『Pascal Niggenkemper le 7 ème continente / talking trash』

昨年ソロ・アルバム『汝の耳で見よ(Look With Thine Ears)』をリリースし、21世紀の未来派芸術家として異彩を放つドイツ生まれのベース奏者パスカル・ニゲンケンペルの最新作。主戦場であるNY即興シーンの情報誌「New York City Jazz Record」から”NYシーンで最も冒険的で危険なベーシスト”と形容される。

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Concerts/Live ShowsNo. 218

#894 Gilles Peterson presents 『WORLDWIDE SESSION 2016』

90年代に<ジャズで踊る>というムーヴメントが世界各地で盛りあがった。日本では折からの渋谷系ブームとも連動し、深夜のクラブで朝までジャズやレアグルーヴで踊り明かすのがトレンドになった。そんな時代の最先端にいたのがジャイルス・ピーターソンとUnited Future Organizationの松浦俊夫だった。その二人が21世紀の最初の15年が過ぎた今、ジャズを基盤にした”大人のための都市型音楽フェス”を企画した。

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No. 215CD/DVD Disks特集『クリス・ピッツィオコス』

#1280 『Protean Reality (Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz) / Protean Reality』

2015年初頭クリス・ピッツイオコスはヨーロッパを訪れた。1月7日Tabori、1月8日Dr. Seltsamにてノア・プント(b)とフィリップ・ショルツ(ds)とのトリオでライヴを行った。「Protean Reality(変幻自在の現実)」と命名されたそのトリオで1月8日の昼間にレコーディングされたのが本作である。

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CD/DVD DisksNo. 208

#1217 『Han-earl Park, Catherine Sikora, Nick Didkovsky, Josh Sinton/Anomic Aphasia』

ヨーロッパを拠点に活動するギタリストのパク・ハンアル Han-earl Parkが2年間NYに滞在し、様々なアーティストと交歓した成果を収めたアルバム『アノミック・アフェイジア(失名詞症)』は、タイトル通り”名称が失われる”即興音楽の極致を求めたドキュメントである。

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CD/DVD Disks特集『クリス・ピッツィオコス』No. 202

#1148 『Chris Pitsiokos, Weasel Walter, Ron Anderson / MAXIMALISM』

収められた7つのトラックはすべて一発勝負の即興演奏。2013年1月と5月にブルックリンのライヴハウスで録音された。切れ味鋭いサックス、ギター、ドラムが三つ巴で絡み合うオープニングから、20分に亘る長尺のエンディングまで、息つく間を与えない鮮烈な演奏が繰り広げられる。

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Concerts/Live Shows~No. 201

#721 JAZZ ART せんがわ 2014

終演の挨拶で巻上はJazz Artせんがわの目的は「分かり易い音楽、つまり強度が強くてすぐに判る音楽を届け、出会いの場を作る」ことだと語った。昨年言っていた「ひと言で判られないフェスティバル、楽しくない音楽」とは対照的に見えるが、まったく同じものを指していることは、一度でも会場に足を運べば即座に理解出来る。

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Concerts/Live Shows~No. 201

#704 サン・ラ・アーケストラ featuring マエストロ・マーシャル・アレン THE SUN RA ARKESTRA featuring Maestro MARSHALL ALLEN – 100th Birth Anniversary Celebration of Sun Ra –

肉体は滅びても魂は残り、それを継承する者が新たな命を吹き込む。サン・ラという神話(Mythology)を永遠に伝授し、あらゆる音楽と人生を融合し発展させる理想的な方法論を実践するのがサン・ラ・アーケストラなのだと実感した。

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CD/DVD Disks~No. 201

#1069 『Elton Dean, Paul Dunmall, Paul Rogers, Tony Bianco/Remembrance』

約2時間の演奏には英国ジャズが辿り着いた表現の高みが示されている。この2年後にエルトン・ディーンは惜しくも帰らぬ人となり、デレク・ベイリーとロル・コクスヒルも天国へ召されてしまったが、歴戦の闘士が不在でも英国ジャズの前途には希望の光が差している。

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BooksReviews~No. 201

#073 竹田賢一著『地表に蠢く音楽ども』 山崎春美著『天國のをりものが 山崎春美著作集1976-2013』 JOJO広重著『非常階段ファイル』

竹田と山崎の著作が既出記事のアーカイブであるのに対し、関西アンダーグラウンドを代表するノイズ・バンド、非常階段のリーダーJOJO広重の『非常階段ファイル』は全編書き下ろしのドキュメンタリーである。

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Concerts/Live Shows~No. 201

#561 JAZZ ART せんがわ 2013 ~ 野生に還る音 親密な関係 生きる芸術 ~

フェスティバルの大団円は、ジョン・ゾーンが1984年に考案したゲーム理論に基づいた即興演奏スタイル、ジョン・ゾーンズ・コブラ。当時から日本の即興音楽家を魅了し、数々の日本人演奏家により実践されてきた。現在も巻上公一を中心に継承されている。

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