ユニバーサルな耳/悠雅彦さんを偲んで ラジオ番組プロデューサー 田中美登里
ユニバーサルな耳、と言ったらいいのだろうか。新しい表現を模索する人の応援団だったのだろうなあ。
続きを読むJazz and Far Beyond
ユニバーサルな耳、と言ったらいいのだろうか。新しい表現を模索する人の応援団だったのだろうなあ。
続きを読むカーラにはサティやモンポウ、あるいはセロニアス・モンクの作品と同じくらいよく練られた作品がたくさんある。(マンフレート・アイヒャー)
続きを読むCarla Bleyを初めて聴いたのは、大学のビッグバンドの先輩が部室に持ってきたカセットテープに録音された『Live!』でした。
続きを読む彼女の死はあまりにも悲しいけれど、本当に素晴らしい曲と演奏をたくさん残してくれてくれた彼女に尊敬と感謝しかない。
続きを読む僕の中ではぽっかり穴が空いてしまった。カーラの残した美しい宝物のような世界に埋もれ現実逃避して、さらに存在感が増す。しかしこの先は新しいものが生まれてくる事はない。
続きを読む文筆家は言葉で、音楽家は音で世界のありようを表現する。国境も主義も宗教も超えた問答無用の生命への讃歌。それは人の心の深いところで静かにしかし凛然と響き続ける。
続きを読む二人とも派手なプレイはせず、ただただ淡々と音を紡いでいく、でも音楽はじわっ、じわっと温かくなっていく。それはそれは素敵なコンサートでした。
続きを読む美しいサウンドの中には絶妙に配合されたポイズンが彼女特有のエッセンスになり、どれだけの影響を自分に与えてくれたことか。
続きを読む「私の子供のような”Lawns”に新しい命を吹き込んでくれてありがとう」と宝物のメッセージがカーラより届きました。
続きを読むカーラの音楽の最大の魅力は、その本質的なエロスにあり、しかも動物的なものというよりは、毒性を持った熱帯性植物に近いような気がします。
続きを読むプロデュースしていた「東京JAZZ」にカーラに出演してもらうのがずっと夢だった。
続きを読むカーラは真に「独立」した音楽家だった。ジャズに於けるインディーズの在り様を突き詰め、あらゆる困難に対して一歩もひかない怯まない姿勢を示し通した大きな存在だ。
続きを読むカーラの70年代は、様々な音楽のエッセンスや個人の才能を取りまとめ一つの流れの中に消化していくことから生まれるものを音楽にする、実験的な工程で作っていたと思っています。
続きを読む日本では“Brötzmann, Yagi, Nilssen-Love”だけでなく、さまざまな編成でペーターと共演しました。中でも思い出深いのが2007年の春に東京で開催された『ブロッツフェス 2007』と『ポール・ニルセン・ラヴ〜ピット・イン・セッションズ』でした。
続きを読むあと2、3年経って、自分たちの音楽が世の中にパッケージングされる時に「オルタナティヴ・ロックです」「ニュー・ジャズです」という風に評価されたら、それでいいかな。
続きを読むカマシ、グラスパーらに代表される現代ジャズ・ミュージシャンたちの柔軟なスタンスは、「ポピュラリティを恐れない自己表現」という言い方で一括される。
続きを読むこのアルバムの出来の良さに関しては解っていたつもりだが、聴き込むほどに感動する
続きを読む全体にブルース色が前面に出ており特にリズム・パターンにそれは顕著だが、ソロやヴォーカルを支えるアンサンブルはまさしくベイシー・サウンド。
続きを読む私が大好きな彼の表現の特異な面 “ハラワタ” をさらけ出すことだ。
続きを読む土取利行によるトリスタン・ホンジンガーとのデレク・ベイリー&カンパニーでの思い出
続きを読む私の演奏が終わった後、彼は「You are mad」と言い放った。すかさず私も「You too」と言った。
続きを読む超然とした狂気と世俗的な凡庸に揺れて。
続きを読むトリスタンが生涯かけて追い求めた、生命の記憶を辿る音の旅はけして熄(や)まないだろう。
続きを読む“Hello, my little sister.” そう呼んでもらえる事はもう2度とない。イカつい顔のおじさんが初めて私をそう呼んだのは、確かポール・ニルセン・ラヴ(ds)とのトリオの2度目のヨーロッパ・ツアーのために集合した時でした。
続きを読む彼との共演は我が音楽人生で計り知れない素敵な経験でした。
続きを読むあれだけのことをやるだけやって、ストンと逝く生き方は見事だと言わざるを得ない。
続きを読むコロナで多くの可能性を失ったが…生き残った者は、この一瞬の生を精一杯生きるべきだ。
続きを読むブロッツマンの演奏にも室町以前の日本音楽、音階という概念がない時代の音楽、(散楽、田楽、猿楽)を連想してしまう。
続きを読む音楽にとって大切なのは、その人から音に託されるそのものの豊穣な世界、深淵さだ。
続きを読む演奏の質の高さ、森山の好調さなど見逃せない優れたドキュメント。
続きを読む「ジャスミンの香りふたつ」と「子持ち鮎の塩焼き」
続きを読むまさに「即興は砂の城」と言わんばかりの刹那的な美意識だけが持つ高揚感に溢れている。
続きを読む「自然体」「流水不争先」(流水、先を争わず)のRobert Glasper。
続きを読む出演者もリスナーも、自由なスタンスとスタイルで音楽を楽しむ。それがこのフェスの醍醐味.
続きを読むあまりにも多くのことが展開した70年代、間章の死を契機に彼のもとに集まっていた個々の者たちは、80年代に入り独自の道を歩みだしていた。
続きを読む同時代を生きた偉大な存在が、また一人姿を消した。何とも言えない喪失感だ。
続きを読む今頃は生田と天国で再会し、再びタッグを組んで創作活動をしてるかもしれない。
続きを読む要するに坂本龍一はジャズそのものを否定しているのではなく、クリシェ化したジャズを批判していたのだ。
続きを読む坂本さんは「坂本龍一」としかジャンル分けのしようのない、しかも時空を超越した音楽を創造した偉大な音楽家です。
続きを読む僕にとって坂本はいつも可能性の源泉と言える。坂本に対する喪失感はとてつもなく大きい。
続きを読む深く考え、信念に従って行動し、静かに語る、良心を求める真摯な人だと私は思っていた。
続きを読むある意味、彼は私にとっての影の教師だったのかもしれない。
続きを読む松風のアルトサックスの音は、ことさらに吹きまくることなく、彼の論理的なあったかい音色で包まれていた。
続きを読む天国への最後の階段 ― Last steps to heaven ―
続きを読む松風さんの偉業はとても凄いことだと思うし心からリスペクトしていました。
続きを読む松風さんの魅力は何と言ってもその艶やかな音色と一音一音に細やかに丁寧にニュアンスを付ける表現力
続きを読む去年(2022年)、私が主宰しているAbsolute-MIXというプロジェクトのコンサートで取り上げたロック・ギタリスト/作曲家のスコット・ジョンソンが亡くなった。本人から知らせが来るわけがない訃報ではあるが、今生の別れというのはやはり突然で悲しい。
続きを読む楽譜やトランスクリプションを見直すと同時に聴覚的な記憶を育てていくことも大切だ。
続きを読むBluesy、Funky、GroovyというAmericanなテイストとは違った静謐で知的な空間が拡がる本盤
続きを読む尽きぬ問いを不在人の残した音や言葉、気配から読み取る、そんな温かい会でした。
続きを読むテナーサックス奏者のチャールス・ロイドの屈指のバラード集。
続きを読むECMの数多くの作品の中でもここまで穏やかで、ストレートに心温まるようなメロディを聴かせる作品はめずらしいのではないか。
続きを読むどの曲も美しく、時に怪しげで湿度がある感じが好きです。Egberto Gismontiに出会った1枚でした。
続きを読むいわゆるジャズ・ギターに馴染んでいた耳にはPMGの音楽は衝撃と言えるほど新鮮だった。
続きを読むおばちゃん二人で店をやっていたんだと思う。「ラルフ・タウナーはこっちやで」「アバークロンビーは確かこっちやったかな」「キースの新譜はまだ入ってきてないわ」何を隠そう「ダン」はECM専門店だったのだ!
続きを読む様々な差別等の不条理よりむしろ、それも含めて今を肯定する強い精神力が根底にある、そういう表現だと思える。
続きを読むこんなにも慈愛に満ち、そして原曲に息づく社会へのプロテストや達観をも含みながら、ただひたすらに美しいギターソロの音楽を僕はほとんど知らない。
続きを読むこのアルバムを聴くたびに過去と現在が重ね合わされたような、不思議な感覚に陥る。
続きを読むジスモンチのギターやピアノがナナの超個性的パーカッションと溶け合って生まれる色彩豊かな音世界の凄さにたじろいでしまう
続きを読む飾らないけど様々な感情を巡らせ、遂に辿り着いた純粋であたたかい彼の心がこの音の一つ一つに散りばめられたような作品だと思います。
続きを読む管楽器とベースのデュオのあり方を覆された。
単音楽器同士とは思えぬ音の広がり、空間に紡がれる音を聞き、しがらみから解放された感覚になった。
初心に帰りたい時に聞く1枚。
高校生の時にフュージョンを中心に聴いていた自分がアコースティックなジャズを聴くきっかけになったアルバムです。
続きを読む今だからこそ認識できる、ディジョネットにしかできなかった、その後の彼が創造してきた音楽が、初めてくっきりとその輪郭を現したのがこのNew Directionsだったと思います。
続きを読むドラムを絵筆化して空間をカラーリングしていくようなヨン・クリステンセンに心を掴まれた。
続きを読む初めて聞いた時、その温かく、ブライトなのに切ない不思議な音色に魅了されました。こんな音がウクレレで出せないかも研究しました。
続きを読むECMの作品にはどの作品も構築と解体が不思議なバランスで一体となっていると思います。
続きを読む音源が擦り切れるのではないかと思えるほど、繰り返し聴いてしまうアルバムがある。それが児玉 桃の「Point and Line」だ。
続きを読むシンプルな中に魅力がある前期PMGの集大成と呼べる1枚。小編成バンドだからこそ生まれるエネルギーがあって、パットの抜きん出たメロディーセンスと作曲力もより鮮明に堪能できる。
続きを読むTowner 作曲の秀逸な構成とギターの浮き立たせ感が尋常ならざる雰囲気を作り出す稀に見る作品。
続きを読む考え抜かれた展開、構成美が聴くたびに新しい発見をもたらすスルメイカなアルバム。もう何度シガんだかわからない。
続きを読む心を通り過ぎていく微細な感情を集め、混ぜ、順番を入れ替え、それをそのままパックしたような音楽。
続きを読むスタンダードもインプロも全てが溶け切った世界。いったい何が起きているのかも分からず、終始夢心地だった。
続きを読むピアノライクなクローズド・ヴォイシング、そこにギターならではのハーモニクスの効果的使用など、タウナーの熟成した奥深い表現力には、ただただ酔いしれるばかりである。
続きを読むこのアルバムは素晴らしい映画と同じです。初めて出会った時に驚くべき印象を与え、その後も更なる神秘を私たちに開示し、私たちに反省を促し、日常の騒がしさの中で一時停止するよう促します。
続きを読む音楽もさることながら、ECMはジャケットデザインの美しさに魅了されました。そのデザインは見ればすぐにECMだろうと判断がつくほどでした。
続きを読む「神童」たちが、全く遠慮のない師ゲイリー・バートンの挑発に乗って、誰も見たことのない音楽的世界を出現させるという壮大な物語。
続きを読むこのアルバムの凄さの一つは、一貫してシリアスな雰囲気があるのになぜかずっと心地良く聴いていられるということである。
続きを読むECMに美旋律なし。以前からのECMに対する見方でしたが、トルド・グスタフセンによって見事にくつがえされました。
続きを読むピアノの音と音の間にある沈黙と躍動の波が、ミニマリズムを通してサディスティックかつ執拗にプレイされる。
続きを読む「Batik」を発見した時は、レコード店の中で思わず叫び声が出たほどです。
続きを読むBerklee音大在学中に出逢い、作曲家・アレンジャーとしても大きな影響と学びを頂いた作品です。
続きを読むこのAECの2枚組ライヴ盤の内容とジャケットのデザイン、そして文字のタイプフェイスと組版にやられて、レーベルを強く意識するように
続きを読む微分音を駆使した音使いは浮遊感と不安感を誘発し、また複雑に絡み合い、加速減速を繰り返す三人の音は、その瞬間の必然性としか言い様がない。
続きを読む『ECM:私の1枚』を選ぶのは一日二日では答えの出せない難題で、考える度に心象風景のような美しいアルバムジャケットの数々が頭の中を猛スピードで駆け巡って気が遠くなってしまう。
続きを読むはじめて「レーベル」というものを意識したのがECMだったと思う。
続きを読む奇妙で単純な相関関係の妙味を不思議な内省を伴って時を過ごしてしまう なんともやりきれない音楽
続きを読む〈ザ・ファースト・サークル〉は大作にして、数ある彼の名曲の中でも最高傑作ではないだろうか。
続きを読むJCOA出身の強烈なミュージシャン達の個性がおもちゃ箱をひっくり返したように飛び出してくるような面白さと、Carla Bleyの強度の高いアレンジの中でCharlie Hadenの伝えたいメッセージによる音楽的な統制の取れた作品だと思います。
続きを読む音符に表される以上の質感、ニュアンスの豊かさが素晴らしい。改めていま聴くとアンサンブルの緊密さにも本当に驚かされる。
続きを読むキースが紡ぎ出す音楽はまさに静寂そのものだが、淡々としかし確固たる意思を持って紡がれる物語の中で時折放たれるハッとする一音に心を掴まれ、刺され、揺さぶられる。
続きを読む自分の中でのECMのイメージを決定づけたのは、このアンゲロプロスとカラインドルーのタッグに他ならない。
続きを読む一音一音に愛が込められすぎて余計な音が一切なく、ただただシンプルにメロディを紡ぐ。キースが弾くとこんな素敵な曲なんだと再認識し直すことが多い。
続きを読む北は心の問題だ。北国生まれでない私にとっては、心の方角なのである。精神の志向、というふうに言いかえてもいい。
続きを読む深遠なベースソロ曲の合間に入るブラスの曲が、さらに作品に奥行きを与えてくれているのと同時に、緊張感をほぐしてくれる感じがします。静かな夜に聴くのがおすすめです。
続きを読むジャズの中に親しみやすいポップな味付けもあり、その奥にジャズの叡智が埋め込まれ、散りばめられているPat Methenyの音楽は、ジャズもポップスも自分の音楽として表現していきたいと思うようになった礎でもあります。
続きを読むKeithさんの自分の音や音楽を信じ、地図のない道を歩んでいく音楽は、変わらず私の心を掴み、自由の波に解き放してくれます。
続きを読む協奏曲的あるいはビッグバンド的に明確な構成を取るのではなく、ピアノとストリングスが最初から最後まで寄り添うように音を紡いでいく。ジャンルの境界を跨ぐ音創りという意味で極めてECMらしい一枚。
続きを読む自分と音楽の間を隔てる壁のような距離感が全くなく、その歌心にスッと共感できた初めてのアルバムでした。
続きを読む例えば明日このアルバムが発売されたとしても、めっちゃやばい新感覚のピアニスト出てきたな、とジャズ業界に震撼が起きると思う。
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