JazzTokyo

Jazz and Far Beyond

投稿者: 常盤武彦

Tak TokiwaのJazz WitnessNo. 308

Tak. TokiwaのJazz Witness No.12 2023年、晩夏、NYC

2023年の夏の終わりも、ニューヨークを訪れた。チャーリー・パーカー生誕ウィークに沸くニューヨーク・ジャズ・シーン。パーカーゆかりのバードランドでの、ケン・ペプロウスキー(cl,ts)のパーカー・ウィズ・ストリングス・トリビュート、ハーレムとイースト・ヴィレッジで開催される31回チャーリー・パーカー・ジャズ・フェスティヴァルは、新鋭、中堅、ヴェテランが、競い合う。最後の夜は1966年の2月7日以来変わらない、ヴィレッジ・ヴァンガードのヴァンガード・ジャズ・オーケストラ。晩夏のニューヨーク・ジャズ・シーンの一週間を、フォト・エッセイで切り取った。

続きを読む
Local(国内)News

12/02(土)Composers Showcase Tokyo @ 南青山Baroom 池本茂貴(tb), 中林薫平(b,el-b) & 秩父英里(p,kb)

気鋭の若手コンポーザー&アレンジャーの池本茂貴(tb),中林薫平(b,el-b),秩父英里(p,kb)の3人が、一つのラージ・アンサンブルをシェアして、三者三様のオリジナル曲を聴かせてくれる、”Composers Showcase Tokyo”が、いよいよ始動。日本のラージ・ジャズ・アンサンブル・シーンに、新たな夜明けを告げるだろう。

続きを読む
Tak TokiwaのJazz WitnessNo. 303

Tak. TokiwaのJazz Witness No.11 ウェイン・ショーターの想い出

2023年の3月に世を去った、ウェイン・ショーター(ts,ss)。そのミステリアスな魅力を放つ音楽は、永遠に不滅である。1990年代から、その晩年まで、筆者が直接感じたウェイン・ショーター体験を元に、その音楽と、ミステリアスな人柄にも迫る。

続きを読む
CD/DVD DisksNo. 303

#2251 『isles (池本茂貴ラージ・アンサンブル) / Oath』

群雄割拠の様相を呈している、東京のラージ・アンサンブル・シーンに、期待の新星が登場した。多くのビッグバンドや、ポップスのホーン・セクションで活躍する池本茂貴(tb)が、俊英たちを集結した13人編成のアンサンブルisles(アイルス、池本茂貴ラージ・アンサンブル)のデビュー作と、その背景に迫る。

続きを読む
Tak TokiwaのJazz WitnessNo. 295

Tak. TokiwaのJazz Witness No.9 2022年、晩夏のNYC

2022年8月下旬に、3年ぶりにニューヨークを訪れた。変貌するニューヨークのジャズ・シーンの中で、変わらないチャーリー・パーカー・ジャズ・フェスティヴァルに登場した、滂沱の涙を流す、アーチー・シェップ(ts,vo)。大規模なレコーディング・スタジオが次々と閉鎖するニューヨークで、バークリー音大の教育施設として復活したPower Stationについてリポートする。

続きを読む
Tak TokiwaのJazz WitnessNo. 290

Tak. TokiwaのJazz Witness No.8 マイケル・ブレッカーの想い出

2007年1月13日に世を去った、マイケル・ブレッカー。その熱いプレイは、今も色褪せず、輝きをましている。1990年代から、マイケルの撮影を手がけた筆者が、その多くの写真とともに、彼との交流を振り返る。マイケルのスピリットは、生きている。

続きを読む
Tak TokiwaのJazz WitnessNo. 286

Tak. TokiwaのJazz Witness #07 ロン・カーターの想い出

1986年にヴィレッジ・ヴァンガードで出逢って以来、筆者は、ロン・カーターの重要なレコーディングや、コンサートを撮影してきた。徹底した合理主義者のロン・カーターとの長年の交流から垣間見える、その個性に迫った。

続きを読む
Tak TokiwaのJazz WitnessNo. 282

Tak TokiwaのJazz Witness #06 パット・マルティーノの想い出

「ジャズとは、瞬間のリアリティである。スタジオ、クラブ、オーディエンス、楽器のコンディション、アーティストのフィーリング、全ての要素が重なって音楽へ結実し、二度と同じことは起こり得ない」と、パット・マルティーノ(g)は語った。1994年の筆者との出逢いから現在までを、膨大な写真と文でつづり、パット・マルティーノの深層に迫る。

続きを読む
R.I.P. ジョージ・ウィーンNo. 282

追悼 ジョージ・ウィーン by 常盤武彦
RIP George Wein by Tak Tokiwa

2007、2008年は共にJVCニューポート・ジャズ・フェス、2015はオフィスでのジョージ・ウィーン

続きを読む
Tak TokiwaのJazz WitnessR.I.P. カーティス・フラーNo. 278

RIP Curtis Fuller

ハードバップ期を代表するトロンボーン・プレイヤー、カーティス・フラー。その晩年のハイライト、2018年、故郷のデトロイト・ジャズ・フェスティヴァルで長年の功績が顕彰された。フラーが青春を過ごした、デトロイト時代に迫る。

続きを読む
international(海外)News

The Van Gelder Studio Organ ~ Live from Van Gelder Studio ライヴ配信5/16 8PM(日本時間)

モダン・ジャズの神殿、ルディ・ヴァン・ゲルダー・スタジオからのライヴ配信第2弾は、現代のオルガン・マスター、ジョーイ・デフランセスコ(org)が、RVGスタジオで、数々のレジェンドがプレイしたハモンド・オルガンをプレイして、ジミー・スミス、ラリー・ヤングらをトリビュートする。今回は、日本/アジアに向けて5/16の午後8時からも、ストリーミング。お見逃しなく。

続きを読む
international(海外)News

Bayfront Jazz Festival, Miami on April 30th (International Jazz Day) & May 1st, 2021

今年のインターナショナル・ジャズ・デイに、マイアミのベイフロント・パークで、およそ一年ぶりの観客を入れたジャズ・フェスティヴァルが開催される。多彩な6組のグループが、高らかにライヴ・ジャズ・シーンのふっかつを宣言し、全世界に4Kで有料配信される。

続きを読む
Tak TokiwaのJazz WitnessR.I.P. チック・コリアNo. 275

Tak.TokiwaのJazz Witness #05 チック・コリアへの追憶

自らの死を予期した別れのメッセージは、素晴らしい友人たちに恵まれたことへの感謝と、若いアーティストへの暖かい励ましに満ちており、最後までポジティヴな姿勢を崩さない。1988年からチック・コリアの取材を続けていた筆者が、その膨大なストック写真を公開し、偉大なアーティスにして素晴らしい人柄だった故人を偲ぶ。

続きを読む
Tak TokiwaのJazz WitnessR.I.P. スタンリー・カウエルNo. 275

RIP スタンリー・カウエル by photographer Tak常盤

デトロイト・ジャズ・フェスティバル 2016、スタンリー・カウエルはクインテットを率いて出演、見事な演奏を披露した。

続きを読む
InterviewsTak TokiwaのJazz WitnessNo. 271

Tak. TokiwaのJazz Witness #04 マリア・シュナイダー、 ニュー・アルバム『Data Lords』を語る。

マリア・シュナイダー・オーケストラの5年ぶりのニュー・アルバムとなった『Data Lords』は、”The Digital World”と”Our Natural World”で、陰陽を描く2枚組の大作となった。来年度のグラミー賞ラージ・ジャズ・アンサンブル部門の最有力候補である本作を、マリア・シュナイダー自らが熱く語る。レコーディング直前の、NY大でのリハーサルの写真を公開。

続きを読む
international(海外)News

9/4~9/7 [配信] Detroit Jazz Festival 2020

今年は9月最初の週末に4日間に渡って、ヴァーチャル開催される世界最大の無料で提供されるフェスティヴァル、デトロイト・ジャズ・フェスティヴァル。今年のプログラムは、ファラオ・サンダース(ts)、ロバート・グラスパー(p.kb)らをゲストに迎え、現代デトロイト・ジャズ・シーンを彩るアーティストで構成された。登場アーティストのスライド・ショウで期待を高め、ぜひ9/4〜7はストリーミング・フェスティヴァルをお楽しみください。日本からも、鳥取ジャズの菊池ひみこ・グループが参加します。

続きを読む
Tak TokiwaのJazz WitnessNo. 267

Tak. TokiwaのJazz Witness #03 ジョン・スコフィールドの想い出

1987年に初めて自宅を訪れてインタビューをして以来、筆者が長くその活動を見守ってきたジョン・スコフィールド。その長年の交誼に感謝して、スコフィールドの音楽の変遷を追う。

続きを読む
Tak TokiwaのJazz WitnessNo. 263

Tak. TokiwaのJazz Witness #02 ソニー・ロリンズの想い出

 2013年に演奏活動から引退した、最後のジャズ・イノヴェーターの一人、ソニー・ロリンズ。その最終章で時間を共にした、写真家/ライターのTak. Tokiwaこと常盤武彦が、巨匠の勇姿と素顔に肉薄したソニー・ロリンズ讃歌。

続きを読む
Tak TokiwaのJazz WitnessNo. 259

Tak. TokiwaのJazz Witness #01 マリア・シュナイダーの思い出

1988年から2017年まで、ニューヨーク・ジャズの最前線で撮影取材を行ってきた、Tak. Tokiwaこと常盤武彦の新連載。29年のニューヨーク生活で出逢ったアーティストたちについて、貴重な写真とともにその思い出を語る。第一回は、1993年に出逢い、またたく間にコンテンポラリー・ジャズ・ビッグバンドの歴史を革新したマリア・シュナイダーとのエピソード。写真と、インタビューを中心に、彼女の音楽と、その背景に迫ります。

続きを読む
このディスク2018(海外編)このパフォーマンス2018(海外編)No. 249

#13 『Ask For Chaos / Gilad Hekselman』

ジム・ホールから始まる、コンテンポラリー・ジャズ・ギタリストの系譜。その正統な後継者に君臨し、ジャズ・アメリカーナを体現するジュリアン・ラージ。イスラエル出身のギラッド・ヘクセルマンは、その牙城に肉迫するニュー・アルバム『Ask For Chaos』を、発表した。ニューヨークのSmallsでのリリース・ライヴは、ギラッドのポテンシャルを100パーセント発揮するものだった。コンテンポラリー・ジャズ・ギターを牽引するこの2人の今後に目が離せない。

続きを読む
Concerts/Live ShowsNo. 249

#1047 Charlie Parker Jazz Festival 2018 from August 22 to 26 in NYC. Vol. 1

2018年に26回を迎えた、ニューヨークの夏の終わりを彩るチャーリー・パーカー・ジャズ・フェスティヴァル。そのメイン・コンサートの1日目、若手実力派シンガーのブリアナ・トーマスと、チャールズ・トリヴァー(tp)が自らのリーダー・デビュー作『Paper Man』のリリース50周年を記念して、当時のレコーディング・メンバーのゲイリー・バーツ(as)と、新たにバスター・ウィリアムス(b)、ジャック・ディジョネット(ds)、ジェイソン・モラン(p)を加えたスペシャル・クィンテットで出演した。

続きを読む
Concerts/Live Shows特集『Bird 100: チャーリー・パーカー』No. 249

#1049 Charlie Parker Jazz Festival 2018 from August 22 to 26 in NYC. Vol. 3

いよいよ5日間の最終日を迎えたチャーリー・パーカー・ジャズ・フェスティヴァル。パーカーゆかりのトンプキンス・スクエア・パークには、8月最後の日曜日の午後に、新旧4つのグループが登場。チャーリー・パーカーのジャズ・スピリットを高らかに歌い上げた。

続きを読む
Concerts/Live ShowsNo. 249

#1048 Charlie Parker Jazz Festival 2018 from August 22 to 26 in NYC. Vol. 2

チャーリー・パーカー・ジャズ・フェスティヴァルのメイン・コンサート2日目は、再びハーレムのマーカス・ガーヴェイ・パークに、新鋭、中堅、ヴェテランの、多彩なスタイルの4バンドが登場した。トリで登場のモンティ・アレキサンダー(p)のハーレム〜キングダム・エクスプレスが、ニューヨークとジャマイカを音楽で繋いだ。

続きを読む
CD/DVD DisksNo. 229

#1411『Mostly Other People Do The Killing / Loafer’s Hollow』

過去の名作のパロディを隠れ蓑に、アヴァンギャルドなプレイを繰り広げるベーシストのモッパ・エリオットが率いるユニット、モストリー・アザー・ピープル・ドゥ・ザ・キリングは、結成13年目を迎えて意気軒昂な活動を繰り広げている。10枚目のアルバム『Loafer’s Hollow』では、20世紀文学を代表するアイルランド出身の作家、ジェイムス・ジョイスや、現代アメリカの作家たちに捧げられた5曲の文学組曲が、アルバムの中核をなしている。リーダーのモッパ・エリオットは、1930年代のスウィング・ジャズと20世紀文学の融合を現代の視点から図るという、壮大な実験を聴かせてくれた。

続きを読む
CD/DVD DisksNo. 227

#1383『Yotam Silberstein / The Village』

アナット・コーエン(ts,ss,cl)、オメール・アヴィタル(b)らに続く、ニューヨーク・ジャズ・シーンを席巻する新世代のイスラエル出身アーティストの中心的存在のヨタム・シルバーステインの最新作。ジャズ、ブルースから、ブラジリアン、中近東音楽、フラメンコ、アルゼンチン、ウルグアイの音楽がブレンドされながら、ケニー・バレル(g)、ウェス・モンゴメリー(g)、グランド・グリーン(g)らジャズ・ギターのトラディションの王道を往き、レニー・トリスターノ(p)の音楽理論を踏襲したアルバムである。

続きを読む
CD/DVD DisksNo. 227

#1383『Infinitude / Ingrid and Christine Jensen with Ben Monder』

ダーシー・ジェイムス&シークレット・ソサエティや、自己のグループ、テリ・リン・キャリントン(ds)のモザイク・プロジェクトで活躍する、イングリッド・ジェンセン(tp)と、カナダのマリア・シュナイダーと異名をとるクリスティン・ジェンセン(as,ss)の、姉妹の20年に及ぶコラボレーションは、ベン・モンダーが加わり、本作『インフィニチュード』で、新たなフェイズのスタート・ポイントに立った。

続きを読む
このディスク2016(海外編)No. 225

この1枚2016(海外編)#09 『Darcy James Argue’s Secret Society / Real Enemies』

ポスト・マリア・シュナイダーの最右翼ダーシー・ジェイムス・アーギューの圧倒的な新作は、グラミー賞ベスト・ラージ・ジャズ・アンサンブル・アルバムにノミネートされた。並みいるライヴァルたちを押さえての受賞が期待される。

続きを読む
CD/DVD DisksNo. 225

#1367 『Frank Kimbrough / Solstice』

フランク・キンボロウ(p)は、唯一無二の美しいピアノ・タッチとメロディ・センスで知られ、現代ジャズ・ピアノの吟遊詩人ともいうべきアーティストだ。本作では、カーラ・ブレイ(p)、ポール・モチアン(ds)、アンドリュー・ヒル(p)、アネット・ピーコック、マリア・シュナイダー(arr・comp.)ら曲をカヴァーし、自らの30年を越す音楽キャリアで影響を受けたアーティストをオマージュしている。恩師ポール・ブレイ、アンドリュー・ヒル亡き後、その遺鉢を継ぐことをフランク・キンボロウは、静かに宣言した作品である。

続きを読む
CD/DVD DisksNo. 225

#1364 『Rudy Royston Trio / Rise of Orion』

ニューヨーク・ジャズ・シーンのファースト・コール・ドラマーのルディ・ロイストンは、セカンド・アルバムの『Rise of Orion』で、前作のメンバーのジョン・イラバゴン(ts,ss)と中村恭士(b)とのトリオで、スポンテニアスに凝縮された音世界を構築した。今のルディ・ロイストンの心の葛藤の中から生み出された、自らに誠実なスピリチュアルなサウンドが響き渡るスマッシュ・ヒット作だ。

続きを読む
CD/DVD DisksNo. 224

#1360 『Aggregate Prime / Dream Deferred』

タイトルの『Dream Deferred』は、1951年に出版されたアフリカ系アメリカ人の作家、ラングストン・ヒューズの詩『Harlem』の一節から引用されている。ピーターソンがアルバム・レコーディングの最初のリハーサルをした2015年10月に、同年4月にボルチモアで起きた3人の白人警官によるアフリカ系のフレディ・グレイフレディ・グレイ殺害事件の最初の裁判を聞き、頻発する白人警官による無実のアフリカ系男性への暴行事件に対する、ピターソンの怒りが、生み出した作品である。

続きを読む
CD/DVD DisksNo. 224

#1355 『Le Boeuf Brothers + Jack Quartet / Imaginist』

現代ニューヨーク・ジャズの次代を担うと大きな期待を集めている、1986年にカルフォルニア州サンタクルーズに生まれたレミー&パスカルの一卵性双生児兄弟のル・ブーフ・ブラザースの第4作は、スティーヴ・ライヒ、ジョン・ゾーン(as)とのコラボレーションでも知られる現代音楽ストリングス・ユニット、ジャック・クァルテットを迎えた、コンセプチュアルな野心作だ。ニューヨーク・ジャズ・シーンに、また新たな潮流が巻き起こる。

続きを読む
No. 221R.I.P. ルディ・ヴァン・ゲルダー

Farewell to Mr. Rudy Van Gelder

2016年8月25日、ルディ・ヴァン・ゲルダーが逝ってしまった。1989年4月25日に初めて、その伝説的なスタジオで撮影をするチャンスを頂いて以来の日々が、走馬燈の如く駆け巡った。最後にお会いしたのは、2014年のジャズ・アット・リンカーン・センターのディジース・クラブ・コカコーラで開催されたプレステッジ・レコード創立60周年記念パーティで、ヴァン・ゲルダーの90歳のバースディ・イヴェントでもあった。側近のドン・シックラー夫妻に付き添われ車椅子に座っていたが、相変わらず眼光鋭く矍鑠となさっていた。長年のご厚誼に感謝し、ご冥福をお祈りしたい。

続きを読む
InterviewsNo. 221R.I.P. ルディ・ヴァン・ゲルダー

#149 ルディ・ヴァン・ゲルダー 〜インパルス・イヤー、クリード・テイラーを語る〜

インパルス・イヤーは、とても重要だ。それは、コルトレーンのレコーディングが出来たことに尽きる。コルトレーンと共にモダン・ジャズ史に輝く作品を創りあげることが出来たのは、大きな自信となり、とても感謝している。コルトレーンが私を選んでくれ、共に過ごした時間は何にも代えがたい。私のキャリアにおいて、比類のない経験だった。

続きを読む
CD/DVD DisksNo. 221

#1339 『The Fred Hersch Trio / Sunday Night at the Vanguard』

センシティヴなタッチとリリカルなプレイで、ヴァンガードのハウス・ピアニストと言える地位を確立したフレッド・ハーシュのヴァンガード・ライヴとしては4作目。Sunday Nightと銘打っているが、実際は金曜から日曜日の夜のベスト・テイクを現代ジャズ録音の名匠ジェイムス・ファーバーがヴィヴィッドに捉えた作品。

続きを読む
CD/DVD DisksNo. 221

#1337 『加藤真亜沙/アンモーンの樹 』

ニューヨークのジャズ・シーンに、また新たな才能溢れるピアニスト/コンポーザー/アレンジャーが登場した。斬新な4ホーンズのアレンジと、ユニークな作曲、エッジの効いたピアノ・プレイで、加藤真亜沙(p,kb,vo)は処女作とは思えない完成度の高いリーダー・アルバム『アンモーンの樹』で、鮮烈なデビューを飾った。

続きを読む
CD/DVD DisksNo. 221

#1336 『The Cookers / The Call Of The Wild And Peaceful Heart』

中堅トランペッターのデヴィッド・ワイスが、9年前にヴェテラン・プレイヤーを結集して結成したオールスター・グループ、ザ・クッカーズが、レーベルをスモーク・セッションズ・レコーズに移籍して5枚目のアルバムをリリースした。ワイス自身が、最もスピリチュアルで、激しいプレイと自負する快作である。

続きを読む
CD/DVD DisksNo. 220

#1331 『Dave Douglas & High Risk / Dark Territory』

様々なフォーマットで、八面六臂の活躍を続けるデイヴ・ダグラス (tp) のエレクトリック・ユニット、“High Risk”の2作目。ジョナサン・マロン (el-b) とマーク・ジュリアナ (ds) の強烈なグルーヴの上で、Shigetoのエレクトニカがダークな空気を醸し出し、ダグラスのトランペットが闇を切り裂く。

続きを読む
CD/DVD DisksNo. 219

#1325 『Jane Ira Bloom / Early Americans』

異能のソプラノ・サックス・プレイヤー、ジェーン・アイラ・ブルームの長いキャリアで初めてのトリオ作品は、リズムとメロディが交錯する野心作だ。パートナーに選んだのはマーク・ヘライアス (b) とボビー・プリヴェット (ds) 。コードの束縛から解放され、ブルームのフリーキーなメロディが、柔軟なリズムにのって飛翔する。

続きを読む
CD/DVD DisksNo. 218

#1314 『Murray, Allen, Carrington, Power Trio / Perfection』

2016年に逝去した、オーネット・コールマン(as,tp,vln)、チャーリー・ヘイデン(b)、マーカス・ベルグレイヴ(tp)に、デイヴィッド・マレイ(ts,b-cl)、ジェリ・アレン(p)、テリ・リン・キャリントン(ds)が結成したパワー・トリオが、豪快で繊細なプレイで、トリビュートを捧げる。先人達の遺志を継ぎ、現代ジャズを新たなステージに、押し進める。

続きを読む
CD/DVD DisksReviewsNo. 217

#1297 『Grégoire Maret / Wanted』

トゥーツ・シールマンス(harmonica)の後継者と目されるグレゴア・マレのリーダー第2作。マレ自身とテリ・リン・キャリントン(ds)の卓越したプロデュースによって、けっしてオールスター顔合わせセッション的作品ではなく、ビッグ・ネームが適材適所に起用された、コンセプチャルかつ、現代音楽シーンの縮図がみえるアルバムとなった。とキャリントンの卓越したプロデュースによって、けっしてオールスター顔合わせセッション的作品ではなく、ビッグ・ネームが適材適所に起用された、コンセプシャルで現代音楽シーンの縮図がみえるアルバムとなった。

続きを読む
CD/DVD DisksNo. 217

#1296 『Ryan Keberle & Catharsis / Azul Infinito』

現代ニューヨーク・ジャズ・ビッグバンド・シーンにおいて、マリア・シュナイダー・オーケストラを始めとする重要ビッグ・バンドに於いてメイン・ソリストを務めるファースト・コール・プレイヤー、ライアン・ケバリー(tb)のユニット、カタルシスの第3作目。本作では自らが演奏してきた南米音楽からの影響を受けた音楽で、リスナーにとっての“審美的なイヴェント”をもたらしたいと抱負を述べる。

続きを読む