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Jazz and Far Beyond

セシル・テイラー

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説No. 261

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #50 Kris Davis <Diatom Ribbons>

NYで活躍するカナダ人、クリス・デイビスの『Diatom Ribbons』がこの9月に発表された。アバンギャルドとかフリーとかにカテゴリー分けされているが、彼女の作曲能力は恐ろしいほど高度だ。タイトル曲<Diatom Ribbons>、その絶妙な構成と、これだけ複雑に仕込まれた曲なのに全く奇をてらったように聴こえない部分と、使用されているセシル・テイラーの語りのサンプルを解説してみた。

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CD/DVD DisksNo. 256

#1625『Sam Rivers Trio / Emanation』+『Sunny Murray Trio / Homework』
『サム・リヴァース・トリオ/エマネイション』+『サニー・マレイ・トリオ/ホームワーク』

温故知新などと言う前に、今、この二枚を聴け。いや、そんじょそこらの「なんちゃってフリー」ではない。二十世紀後半の波濤をかいくぐり、さらに自らの船を繰り出す2人の船長の声を。

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GUEST COLUMNNo. 243

「Jazz。豊穣の海。」

この過程はテイラーだけのものではない。日本に孤高のギタリストが居た。ボサノヴァでプロデビューし、トリスターノの研究からクール派の演奏を成就し、タンゴを異形な演奏で示し、漸次投射/集団投射の方法論で日本独自のフリージャズを顕現させ、遂にはそのギターソロが轟々たるノイズの壁を屹立させるに至る。高柳昌行、その人である。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説No. 241R.I.P. セシル・テイラー

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #30 Cecil Taylor <Charge ‘Em Blues>

他界してしまったセシル・テイラー。彼がライフ・ワークとしたフリーインプロビゼーションではなく、彼のデビューアルバムからオリジナルのブルース曲を取り上げた。分析して初めてセシルのヴォイシングがコード進行に忠実だったことを発見、また、セシルが曲のフォームをいかに尊重していたかなどに焦点をあててみた。

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Columnある音楽プロデューサーの軌跡 稲岡邦弥No. 239

ある音楽プロデューサーの軌跡 #43 「“偉大な興行師” 鯉沼利成さんとの仕事」

「鯉沼さん、プロモーターとしてやり残したことはないでしょう?」「プロモーター? 俺は興行師だよ!」。大興行師・鯉沼利成と音楽人としてのキャリアの一部を共有できたことは光栄かつ名誉なことである。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説No. 238R.I.P. ラズウェル・ラッド

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #27 Roswell Rudd <Monk’s Dream>

ニューヨーク・アートクァルテットなどでの演奏でフリージャズにおけるトロンボーンの位置付けをしたラズウェル・ラッド。恐ろしいほどの数のアルバムを残して他界した、そのほとんどのプロジェクトは多岐にわたるジャンルやスタイルとのコラボ。彼のトロンボーンのスタイルは2種類に別れていたようだ。その2種類が上手に合わさった珍しい録音から1曲解説してみた。

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ニューヨーク:変容するジャズのいま 蓮見令麻No. 228

ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま 第13回 蓮見令麻〜手探りでたぐり寄せた、その糸で織ったもの

2作目のアルバム、ピアノ・トリオ作品『Billows of Blue』のリリースに至るまでに出会うべくして出会った数々の名盤と、ニューヨークの音楽家達。「ジャズ」とは何かという問いの追求について、自身が語る。

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CD/DVD Disks特集 『生活向上委員会2016+ドン・モイエ』No. 220

#1333 『原田依幸 with モンドリアン・アレオパディティカ・ストリング・カルテット / 1983』

盟友梅津和時と袂を分かつことになった原田が、『失楽園』を著して有名なイギリスの詩人ミルトンが1644年、当時の言論弾圧に抗して刊行したパンフレットの書名『アレオパジティカ』に倣って「自由な表現」を求めたように、我々リスナーは「自由な妄想」を追求すべきことを提言したい。

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Reflection of Music 横井一江~No. 201R.I.P. セシル・テイラー

Reflection of Music Vol. 31(Extra) セシル・テイラー

私たちはセシル・テイラーの音楽をどう聴けばよいのか。トニー・オクスレーはかつてこう言った。「セシルの音楽をモダーン・ミュージックのように決してシリアスに捉える必要はない。とても自由でエナジーに満ちていて、僕は演奏していてもとても楽しい」。そして付け加えた。「ただココロを開いて聴けばいいのだ」と。

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~No. 201ある音楽プロデューサーの軌跡 稲岡邦弥R.I.P. セシル・テイラー

#30 セシル・テイラーの「京都賞」受賞を祝う

「セ~シル・テイラー・ユ~ニット!!」。レコードに針を下ろすといきなりMCの絶叫する声が耳に飛び込んでくる。悠 雅彦氏の壮年の声である。そして、その声にかぶるようにしてピアノが、アルトサックスが、そして、ドラムスが雪崩を打って出てくる。

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Concerts/Live Shows~No. 201R.I.P. セシル・テイラー

#127 セシル・テイラー&山下洋輔 デュオ・コンサート

終始すべてを見透かしているかのように演奏を引っ張っていたのはセシル・テイラーだったことは否めない。それでも、異なる個性がぶつかり合い、二台のピアノがシンクロし、共鳴しする醍醐味は、この二人の共演ならではの出来事だったといえる。

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