#1333 喜多直毅クァルテット Naoki Kita Quartette
時に刃(やいば)のような協奏を各々のソロが受け止める刹那に覗く、流れ落ちるパッション、それを単音に収斂させるタフネス―目の当たりにする度に、クァルテットを構成する個人と総体、その互角の強度を再認識する。
続きを読むJazz and Far Beyond
時に刃(やいば)のような協奏を各々のソロが受け止める刹那に覗く、流れ落ちるパッション、それを単音に収斂させるタフネス―目の当たりにする度に、クァルテットを構成する個人と総体、その互角の強度を再認識する。
続きを読む全編オリジナル楽曲による喜多直毅クァルテット(喜多直毅/vn, 北村聡/bn, 田辺和弘/cb, 三枝伸太郎/pf)が、クァルテットとしては8年ぶりとなる新作アルバムを引っ提げ、名古屋・大阪・神戸・広島・福山の5都市にわたる西日本ツアーをおこなう(名古屋と大阪は初公演)
続きを読む「舞台というカンヴァスを描き切る身体の自在さ」は、この日の出演者すべての共通項。聴き手は視覚と聴覚をフルに動員しながら、演者たちが差し出す内的世界へとり込まれていくことになる。
続きを読むふだん押さえつけているエモーションが、際から際まで刺激される。曲が進むにつれて床へ落とされるスコア同様、様々な澱(おり)が剥がれおち、気がつけば鎧なき寄る辺なさ。容赦ないひりつき具合が、現実を串刺しにする。
続きを読むジャンルレスだが素敵な1枚と、前途洋々な若手女流ジャズ奏者、乾坤一擲の痛快デビュー・アルバム、さらにベテランと中堅が結集した新ユニットの充実の1作。
続きを読む表現者が表現手段を超えるーあらゆる”Beyond”の境地を体現していた。
続きを読む思えば蛇腹の抑制が生むリズミカルな律動など、三者三様の鼓動や息遣いがひとつの大きな有機体のように連なるユニットだ。余白が豊穣である。その包容力は、忘れがたい衝撃という類いのものではなく、身体に沁み込んだ記憶がさざ波のように寄せる瞬間を捉えた、静かな覚醒と充足。
続きを読むこぼれでる多様な音の変遷に動揺しつつ、次第に音の遠近が攪拌されてくる。それらの音がスコアへと収斂されていくさまが幻視され、逆方向のベクトルに絡めとられてゆくのだ。磁場としてのコンポジション。制御不能なものが還りゆく場所。その見果てぬうねり。
続きを読む三菱地所は、GW期間、東京国際フォーラム ホールCでクラシック音楽コンサートを計6公演行う。ジャズ、ワールドミュージックに繋がるプログラムで、中川英二郎、エリック・ミヤシロ、本田雅人、林正樹、藤本一馬、鈴木大介、北村聡、芳垣安洋らも出演。子供料金も低く設定されている。
続きを読むその音楽には、コスモポリタン的な感性が生み出す自由さ、そして音楽的ルーツが希薄な都市に生活する人ゆえの彷徨う感覚を嗅ぎ取ることができる
続きを読む各々の実験的な経験値は、遠くから忍び寄るメロディにそこはかとなく宿る。「聴かせる」のではなく「聞こえてくる」のだ。
続きを読むボーカルが、単なるマイキングではなく。かなり時間を要したのでは?
続きを読む音楽はしばしば特定の記憶を結びついて懐かしさを増すが、生きえなかった過去を想像力し喚起することによってもまた、今を揺さぶり未来を幻視する力をもつ。
続きを読む深層から絞り出されるメロディの儚(はかな)さはリアリティへの絶望を映す鏡だ。なぜ沈黙や郷愁の残滓に心震えるのか。それを意識して改めて気づく薄ら寒い現況がある。
続きを読むミュンヘンを拠点に活躍し、2018年にECMからデビューした福盛進也が、新レーベル「nagalu」から自身のセカンドアルバム『Another Story』をリリース。その世界観を示すライヴをコットンクラブで行う。
続きを読むECMからデビューしミュンヘンを拠点に活躍するドラマー福盛進也が設立した新レーベルnagaluの1枚目となる2枚組アルバム。藤本一馬、林正樹、佐藤浩一をはじめ個性的なアーティストが集結し、新しい物語が動き始めた。
続きを読む渋谷「公園通りクラシックス」をサポートするためピアニスト林 正樹が仲間たちとおくるスペシャルな配信プログラム第3弾。タイムリーという意味では、朝ドラ『おちょやん』音楽担当のミュージックソー(ノコギリ)奏者サキタハヂメや、福盛進也『Another Story』、Saigenjiなどにも注目したい。
続きを読む肯定の音楽、そこへ至るまでの危機感 (クライシス=境界)の数々が回想され、収斂されてゆく整合性。喜多クァルテットのステージは毎回、まさにドラマである。
続きを読むジャズ、クラシック、中南米など世界中の音を吸収しながら独自の音楽を創ってきた仲間たちのコラボレーションから生まれる音楽を楽しみたい。
続きを読む渋谷のジャズクラブ「公園通りクラシックス」を支援する配信イベントが、ピアニスト・作編曲家の林正樹の提唱で、10組のアーティストの賛同して開催される。
続きを読むこの4人でなければ成立しない物語世界だ。表現とは代替の効かぬものなのだ、という峻厳だが疎かにされがちな事実—それが刃のように突きささってくる。
続きを読む温かみのあるメロディの中で、3人は狙いすましたように音を奏でる。ベストポイントを見極めたように、正確に。
続きを読む2018年にECMからアルバムデビューしたミュンヘン在住のドラマー福盛進也が、2019年12月〜2020年1月にかけて来日し多数の公演を行う。日韓のミュージシャンを集めた「East meets East」にも注目したい。
続きを読む繊細さがスケールの大きさを拒まないのが三枝節の真骨頂。瑞々しさと完成度の高さで、花果同時の高貴さもまとう。
続きを読む多層をなす奇抜な構造に度肝を抜かれると同時に、流れ落ちるピュアなパッションに心洗われる—こうした相克的体験はそのまま生の矛盾そのものだ。
続きを読むジャズ、クラシック、ブラジル、アルゼンチンなど世界中の音を吸収しながら独自の音楽を創ってきた仲間たち、藤本一馬、林正樹、西嶋徹、北村聡らのコラボレーションから生まれる音楽。今回は、orange pekoeとのプロジェクト、林、藤本、西嶋のトリオなど貴重なプロジェクトの公演を楽しみたい。
続きを読む宗教的な特性と安易に結びつけるべきではないが、その厳しさや直線的で刃のような立ち昇り、切り返しの激しさに、仏教的なループの緩やかさはない。
続きを読む国内屈指といえる4人のアーティストのもつ高度かつ個性的な技倆(ぎりょう)が見事に開花。
続きを読む古典からモダンまでを幅広く扱うタンゴを聴きたければ、トリオ・セレステは間違いなく推薦できる日本有数のタンゴ・バンドのひとつと感じる。
続きを読む清濁併せ呑む風格、血の通った威厳。昨今失われた、或いは生き様の根源に関わりながらも捉えられないものだからこそ追わずにはおれない。音によって畳みかけられた60分の余韻には、若干痛みも伴う。痕跡を超えた、音楽の爪痕である。
続きを読む境界音楽の騎手として、このクァルテットはどこまで疾走し続けるのだろうか。今後も目が離せない/As cutting-edge of transborder music, just how far will this quartette keep ranging? We cannot take our eyes off them.
続きを読むうたかたの酔い、澄みゆく空気の推移から氷塊のクラッシュまで、組んず解れつ切り替わるシーンの連結。個々の演奏家のエッジィな部分が共振しては勃興する音の気配、香気。彼らの音楽は全員の総和でなく相乗で成り立っている。/From the intoxication of effervescent bubbles, the quiet shift of crisp air, to the crash of a heavy block of ice, we experience the dramatic interconnection of changing scenes locked in a fierce and powerful struggle. Each musician’s edgy parts resonate and rise to power, hinting at the signs and fragrances within the sound. Their music is a synergy, rather than the simple sum total of all members.
続きを読む主催・企画・制作を二人で行う novus axis 堀内求、NRT 成田佳洋の音楽観を反映した独自のキュレーションで大きな発見と喜びを与えてきた貴重なコンサートだ。
続きを読む圧倒的な演奏力と物語構成力で、期待を裏切らない進化をみせるクアルテット。無音の部分にこそひた寄せる鬼気がある。人間の業や人生の割り切れなさが照射され、鮮烈なイメージ喚起力とともに変転していく。
続きを読むECM系ボボ・ステンソンを始め内外6人のピアニストによるピアノ・ファンは聴き逃せない国際的にもユニークなピアノ・ミュージックの饗宴。
続きを読む高い演奏力を要するスコアがもたらすストイシズム、それに練達し破ることでのみ拓けてくる突き抜けた自由、静謐なパノラマ。脱領域的な音楽だが、ふとした瞬間にふわりと舞うペーソスは、まさに日本人のDNAが呼応せずにはおれない原風景。超現実的でありながら強烈に懐かしい。/ Scores requiring high-level performance resulting in stoicism; only mastery and breaking through them can lead to absolute freedom; and a tranquil panorama. This is extra-territorial music, but the pathos gently fluttering in unexpected moments is certainly an archetypal image that the DNA of the Japanese cannot help but respond to. It may be hyper-realistic, but it is at the same time intensely nostalgic.
続きを読むリズムの相克から生まれる駆動力、サウンドのドラマ性、昂揚と興奮。喜多直毅クアルテットは進化を続ける。
続きを読む積極的にヨーロッパ各地での公演を重ねているだけあり、喜多直毅の演奏には経験値と凄みがある。
続きを読む自然発生的な音で時空を満たしてゆくというインプロの事例には事欠かない昨今、ミクロレヴェルまで徹底して考察され、弾き尽くされ、かつ一音単位でも濃密に息吹く喜多直毅クアルテットの音楽づくりは、正統派のラディカルとして群を抜く。
続きを読む