#1174 Concert for Taka~橋本孝之君に贈る演奏会
コロナ禍が続く中、以前のように自由にコンサートを開催することが難しい状況ではあるが、これからも橋本君が喜び驚くような“とんでもない”演奏が、いろんな場所で繰り広げられていくことは間違いない。それを確信させる演奏会だった。
続きを読むJazz and Far Beyond
コロナ禍が続く中、以前のように自由にコンサートを開催することが難しい状況ではあるが、これからも橋本君が喜び驚くような“とんでもない”演奏が、いろんな場所で繰り広げられていくことは間違いない。それを確信させる演奏会だった。
続きを読むそれぞれが異なる地平に立ちつつも、演奏が進むにつれて表情を変化させて、ダイナミックに響き合ったり、静寂に収斂したりしながら同化と異化を繰り返すプロセスに、ひとつのバンドならではの魂の共感と進化を感じる。
続きを読む常に独自の表現を求め、常識を破壊し続けた橋本君に相応しく、「悼む・偲ぶ」のではなく彼が聴きたかったであろうミュージシャンを一堂に集めた演奏会を開催します。
続きを読むそこには阿部や浦邊はもちろん、誰との比較をも許さない、冷徹なほど屹立したアルトサックスがモノトーンの色彩を放っていた。それは筆者の意固地なジャズへの被害妄想を突き崩し、贖罪として筆者は自分語りに始まるディスク・レビューを書くに至った。
続きを読む工藤冬里のピアノを聴きながら記憶の中に浮かび上がる風景は、輪郭のぼやけた幽霊に過ぎないが、自分の歴史の投影だとしたら、それはすなわち幽体離脱体験と言えるだろう。
続きを読むこのアルバムに描かれているのは間違いなくクリス・ピッツィオコスというひとりの人間の魂と肉体である。現在のピッツィオコスのありのままの音楽を時間をかけて濃縮することにより、彼自身の未来の音楽と人生の在り方を刷新した。
続きを読むこれほど表情豊かなバンドは他にいるだろうか?男は黙って背中で語る、というのは過去の美徳。顔満面の表情でサウンドを奏でるのが異形のロックバンドの心意気なのだ。
続きを読む40年以上の長きに亘り音楽とアートの最前衛で活動し続ける3人が若き日に繰り広げた逸脱表現は、過去(70年代)から断絶し、新時代(80年代)の前衛音楽の到来を告げる予兆である。その意味で『歓喜の逆火』とは言いえて妙である。
続きを読むチャック・ジョンソンのペダル・スチール・ギターが描き出すサウンドは、蜃気楼のように浮かび上がる遠い記憶を掴もうとする夢の世界のサウンドトラックである。
続きを読む二人の即興サックス奏者による、古代の記憶と共に眠れる精霊を呼び覚ますかのようなデュオ演奏は、音楽の原初の形を取り戻す試みに違いないのである。
続きを読む自らの原点であるロフト・ジャズ時代の音源を掘り起こして世に問う意図は、経済的な見返りを求めることなく、自分たちが望む音楽を一途に追求した希望に満ちた日々を今こそ取り戻そう、という決意表明なのかもしれない。
続きを読むメディテーション・ミュージック的であり、環境音楽/アンビエント・ミュージック的であり、フィールド・レコーディング的であるが、本質的には生楽器の即興演奏のドキュメントである。いわば一人の演奏家の意思による“Improvised Meditation Music(即興瞑想音楽)”と呼ぶのが相応しい。
続きを読む伝説のビート詩人ルース・ワイスの遍歴と思想を綴ったポエトリーが、ロムスたちのインプロヴィゼーションと見事に絡み合い、二つの異なる視点からアメリカのカウンターカルチャーの歴史を俯瞰する壮大なオーラル・ストーリーが描かれている。
続きを読む浦邊にとって音の鳴り方と魂の震え方に違いはない。両者が同じ振動で波打つことが、浦邊雅祥の音楽の魅力であり怖さなのだと思う。
続きを読む『クトゥルフ神話』や『スター・ウォーズ』や『グイン・サーガ』の異端音楽版とも呼べる、壮大なるSun Ra Mythology(サン・ラ神話)が着実に語り継がれていることが証明された。
続きを読むかつてハードロックの突然変異と呼ばれた不失者は、決して特殊な異端者ではなく、音楽表現の在り方としては正統派に他ならない。それはコロナ禍が完全に収束しない中、演奏するのが待ちきれないとばかりに出演を快諾したゲスト・ミュージシャンの満足そうな笑顔を見れば明らかだ。
続きを読む本作に通底する言葉にできないほどヘヴィなメッセージには、マイナスをプラスに転化しようとする意志と希望が込められている。世界にどんなことが起ころうと、ヒカシューがやるべきことはただ一つ、鳴り止まない音楽を奏で続けることだけなのだから。
続きを読む意識の塊のようなドットエスの二人の演奏に、”たまたま落ちていた音。たまたまそこにあった音”を重ねることで、疑似アンビエント空間に放り込み、デュシャンの「泉」のように聴き手の価値観の攪乱を意図したのである
続きを読む抽象と具象、無意識と有意識、無為と有為、Catastrophe(崩壊)とCreation(創造)。ジャクソン・ポロックが導くドットエスの表現行為はまさしく「アクション・インプロヴァイジング・ミュージック(行為としての即興音楽)」と呼ぶのが相応しい。
続きを読むポップスの世界では、一人きりの寝室で宅録によって作った音楽を「ベッドルーム・ポップ」と呼ぶが、『CHAT ME』はいわば「ベッドルーム・インプロヴィゼーション」と呼べるだろう。
続きを読む大きな社会環境の変化が、次々と起こる時代だからこそ、アートの力が、ますます重要になってくると確信しています。既成の価値観や意識を変革することで人を救うことが、アートや文化の大きな役割だと考えるからです。ですので、ドットエスの表現活動を通じて、少しでも世の中に良い影響を与えてゆければと思います。(橋本孝之)
続きを読むニューオリンズ、スウィング、ビバップ、フリージャズ、R&B/ゴスペルからエキゾチカ、サイケデリック、スペースロック、電子音楽まで地上のあらゆる音楽を坩堝化したサウンドは、世界文明を攪拌・濃縮したミックスジュースのように馨しい。
続きを読む左チャンネルのハンアル、右チャンネルのディドコフスキーの2つのギター・ノイズと、中央に立つシコラの対照的にメロディアスなサックスが脳内で衝突・融合し、神経を活性化して脳全体を刺激する快感を与えてくれる。
続きを読むテン年代に何回か体験した近藤の演奏は、30年前のフリージャズ体験をアップデートする新たな衝動を与えてくれた。近藤の突然の死にあたって、自分の体験したライヴの感想をブログ記事から抜粋することで、筆者なりの追悼文とさせていただきたい。
続きを読む自然体のフリースタイルミュージシャン、中尾勘二が生み出す郷愁のアンサンブルが心の自由度を果てしなく広げてくれる。ふと気が付くといつもそこにある風景のような和風フォルクローレ(民俗音楽)である。
続きを読むCovid-19という災厄のおかげで再認識された<自然>との共生、つまり「ウィズ・ネイチャー」こそ、我々人類が本気で取り組むべき課題に違いない。No Touguesの疑似民俗音楽は、自然と人類の芸術的コラボレーションの新たな形を予感させてくれる。
続きを読むインプロと言ってもジャズでもロックでもクラシックでもエスニックでもない。特定のスタイルに囚われない独自のスタイルは、“分かりにくい音楽こそ面白い”と宣言するフェスティヴァル『JAZZ ARTせんがわ』の精神を個人的なレベルで実践している証拠である。
続きを読む好きな音楽の基準は「分かるか分からないか」ではなく「心が動くか動かないか」である。JAZZ ARTせんがわは、縮小開催された今年も最高に心が動く瞬間を与えてくれた。
続きを読む転がり続ける演奏体UHの轍は、たとえ苔が生そうとも、表現者の足音が永遠に鳴り続けるに違いない。
続きを読むジャケットに記された「Speak in tongues and hope for the gift of interpretation(異言を語り、解釈の才能に期待する)」という一文には、影響を受けた偉大な先達へのリスペクトと共に、必ず彼らを乗り越えてやる、というピッツィオコスの強い決意が込められている。
続きを読むマキガミサンタチのイマジネーション豊かな音楽は、聴き手の音楽脳(右脳)をやさしくマッサージする。その一方で楽曲タイトルのシュールな言葉遊びが、言語脳(左脳)のシナプスを震わせる。左右の脳のバイブレーションが共鳴して生まれる刺激の波が、聴き手の感情に新たなさざ波を起こす。
続きを読む電子音楽、プログレッシヴ・ロック、テクノ、ノイズ、インダストリアル、ミニマル・ミュージックなど、様々な要素がミックスされたスタイルは、まさにミクストメディア時代の<アートロック>と呼べるだろう。MEDIA=コミュニケーション・メディアと解釈すれば、JOBSの音楽はアート(芸術)であると同時にエンターテインメントでもある。
続きを読むかねてよりドローン・ミュージックは究極のストイシズムだと感じていたが、ザ・ドーフによるエネルギーあふれる解釈により、究極のハードコアでもあることを実感した。単なるジャンルの越境や融合に留まらず、音楽の本質を露わにするザ・ドーフの思索的諧謔精神が今後世界にどんな影響を与えるのか、興味は尽きない。
続きを読むリモート時代の到来とともに、隔離できない即興音楽を奏でる新しい“場”が生まれている。これをAfter/With Covid-19の苦難の時代で生きざるを得ない我々にとっての僥倖と言わずして何と言えよう。
続きを読むキカンジュ・バクが創造する訳のわからなさ・混沌・曖昧性は、地下音楽の醍醐味のひとつであり、ケイオティックで挑発的な音楽スタイルと共に、好奇心が刺激されて止まない。
続きを読む三人のミュージシャンが、密閉されたスタジオで、体を寄せ合い密集して、濃厚かつ密接な音の交感により生み出した生々しいブルース魂が宿った音楽ドキュメンタリーである。
続きを読む『Manala』が奏でる豊穣の音楽は、ロムスとコスキネンの個人的なルーツであるだけでなく、遍く人類すべてが生まれてきた原初的記憶をたどる旅路を示している。それこそが音楽の冥界巡りの醍醐味と言えるであろう。
続きを読むアメリカーナ=ブルースの要素を加える事で、より広範な音楽ジャンルと演奏スピリットを注入し、逼塞した今の時代を生き抜こうとする強い決意を表明した意欲作となった。
続きを読む「私のアプローチは純粋な即興と楽曲の中間にあります。楽曲は必要だと思っていますが、それを完成に近づければ近付けるほど瑞々しい魅力が失われると思っているので、その境界線を探しています。」
続きを読む1978年の結成以来、たゆまず進化を続けてきた灰野敬二率いる「不失者」が豪華ゲストを迎えてのスペシャル・ライヴが決定。
続きを読む有言実行、新・標題主義を掲げるレント・ロムスと辺境君主の信念に貫かれた異端音楽が、いつか山の下を貫通し、モンスターとなって地上に出現する日が来ることを心待ちにしている。
続きを読むアンビエント/環境音楽ブームのおかげで、平野の音楽にも関心が集まっていると聞く。どのような形でも構わない。謎多き日本地下音楽の闇に薄暮の光を放つ秘宝がより多くの人たちの耳に届くことが、何よりも重要なことである。
続きを読む沖縄電子少女彩をはじめ、現代産まれつつあるジャンル無用の表現者に対して如何に心を開けるかどうかで、これからの音楽の楽しみ方が大きく変わる気がするがどうだろう。
続きを読むマーシャル・アレン師を中心に6人の猛者がデタラメを極めた本作は、混迷する世界の癒しの儀式のサウンドトラックなのである。
続きを読むこのような理想的な表現環境がより広く伝わり実践されれば、神様なんかいなくても、この世の中をもう少し住み良い世界に創り直すことが出来るに違いない。
続きを読む自分も観たり聴いたり論じたりするばかりではなく、実践者として現在進行形のシーンに関わらなければならない、と背筋を正される思いがした。
続きを読むクリス・ピッツィオコスが作曲したスコアを基にした演奏である。ジャズ的な即興イディオムは殆どなく、クラシック音楽に於ける即興曲に似たコンセプチュアルなノンイディオマティック演奏が収められている。
続きを読む近くて遠いジャズとロックのミッシング・リンクとして謎解きを楽しむのも悪くはない。しかしながら、アルバム全体に漲る無防備なまでの自由精神は、時代や社会やテクノロジーが変化しても常に変わることのない、人間の表現欲求の解放の証に違いない。
続きを読む録音・制作自体は40年前だが、2019年の現在初めて明らかにされるニューシング(nu thing)として提示されている。それこそ作品番号に付された「remodel」の所以である。表現行為の記録の再構築により、煤のように堆積した記憶を払い除き、本質的な音楽そのものを新しい耳で体験すること、それがカタログへ向き合い方であろう。
続きを読む初めて自分の音に触れたっていうか。日本では分からなかった感覚を感じられたということがこの旅の最大の収穫でしたね。
続きを読む知る人ぞ知るカルト・ミュージシャン及川禅による80年代地下音楽の秘宝が、何の前触れもなくイタリアのOttagono Design Of Music(オッターゴノ 音楽のデザイン)と称するレーベルからアナログLPとしてリリースされた。
続きを読むピッツィオコスたちが、享楽的なコールマンや、エモすぎるアイラーや、理知に支配されたブラクストンよりも、神秘的なコルトレーンの世界に無意識のうちに近づいていることを意味している。
続きを読む「ジャズ」スタイルの可能性・汎用性をとことん探索し、「ジャズ」で遊ぶ喜びを十二分に謳歌する三人は、前衛のための前衛や、破壊のための破壊とは次元の異なる音楽エンタテインメントの実践者に違いない。
続きを読むまだ余り知られていない有望な若手ミュージシャンを日本に紹介する活動もJazzTokyoの目的のひとつ。フローリアン・ヴァルターの日本での活動に微力ながら貢献できていることは、いちコントリビューターの筆者にとっても嬉しい限りである。
続きを読む音楽演奏家・橋本孝之の、二度と取り戻せない「塗りつぶすことが出来ない時間」を体験できた貴重な一夜だった。
続きを読むここに記録された作品は、溢れ出る才能の結晶であり、例え極少数だとしても形にして世に送りだしたDD.Recordsの功績を含め、日本の地下音楽の秘宝として高く評価されるべきである。
続きを読む秀逸なポップセンスを持つサイケデリック・ロッカーでもある春日井の歌心が多分に盛り込まれた本作は、ノイズ/実験音楽/アヴァンギャルド/電子雑音の範疇に収まらない多面的な自意識(自慰式)解放の極みである。
続きを読む特定のスタイルを標榜する訳ではないが、この潔さは即興音楽スリーピースの極意と言えるに違いない。パーマネントなトリオではないことを重々承知の上で言わせてもらえば、Improvised Music最上のトライアングルである。
続きを読むマーシャル・アレンたちの宇宙規模の自由な音楽が、たった30センチのレコード盤をターンテーブルに乗せるささやかな儀式を通じて我々の現実世界と繋がる。これこそ真の癒しであり祝福である。
続きを読むレパートリーへの理解と解釈が驚異的に深化し、まさに彼らにとってのスタンダード・ナンバーとなっている。あまりに堂々とした演奏は本家ZEPにも負けない王道の風格がある。
続きを読む川島誠のサックスから発せられる音色には、聴き手の記憶の底のノスタルジアを呼び覚まし、現世の葛藤や欲動を音楽に昇華させる魔法の欠片が溶けこんでいる。ここから始まる音楽人生に偽りはない。
続きを読む“ウェストコースト即興シーンの顔役”を離れて自らのルーツであるフィンランド音楽とのプライベートな交流を追求するこのプロジェクトは、レギュラー・グループのLife’s Blood EnsembleやLords of Outlandとは別のレント・ロムスの魅力を伝えてくれる。
続きを読む川越近郊の田舎町で育ったことが自らの音楽観に影響していると語る川島にとって、地元で活動拠点を見つけることは長年の夢だった。その第一回は、4人の個性的なインプロヴァイザーの邂逅の場となった。
続きを読むP.S.F Records 2015年のソロ・アルバム『HOMO SACER(ホモ・サケル)』がアメリカのレーベルからアナログ盤で再発され注目を集めるアルトサックス奏者・川島誠が、自らの即興演奏の背景にある経験と思想を語るロング・インタビュー。
続きを読むポエトリーは単なる「言葉」ではなく、4人が共有する「感情」として「音楽」と触れ合い、揺れ合い、震え合い、ひとつになって豊潤な物語を紡ぎ出した。慈愛と共感に満ちた真の創造の場の現出であった。
続きを読む地下音楽の澱みの奥底で人知れず熟成された創造物が、40年近い時を経て初めて世の中に芽を出した奇跡と言って間違いない。
続きを読む装丁も含め和テイストが溢れる作風は、現代版ジャポニズムであり、現代日本地下音楽のエキスをヨーロッパ視点で捉えたものである。
続きを読む「行き過ぎることを恐れない」という地下音楽のテーゼを今一番継承しているのは地下アイドルに違いない。
続きを読む濃いコーヒーで眠気と闘いながらパソコンの画面で眺めた異物感たっぷりのパフォーマンスは、間違いなく今この瞬間の生のライヴ体験だった。
続きを読む即興ジャズの熱気とも、クラシックの厳格さとも異なる、知的な遊び心に満ちた実験精神は、室内楽的ハードコアジャズとでも呼べばいいだろうか。
続きを読むサックスとパーカッションで太古の洞窟で演奏する試みは、命をかけた馬鹿げた挑戦などではないが、このレコーディング作品のキーワードが<生命>にあることは確かである。
続きを読む大阪を含めた全四回の公演は、何よりヴァルター本人がリラックス出来て、様々なアーティストと共演を楽しめて実りの多いものだった。
続きを読む名古屋の異端サックス奏者柳川芳命と大阪のパンク・ドラマー藤田亮。何にも頼らず自分のスタイルを創り上げる無頼派同士の初のデュオ・アルバムには、即興演奏の彼方を目指すエネルギーが溢れている。
続きを読む今は亡きシュールレアリズム詩人の生前のポエトリー・リーディングと今を生きる前衛ジャズの共演は、ビート・ジェネレーションの血が受け継がれる西海岸の即興シーンの豊潤さの証である。
続きを読むサックス/ギター/ドラムによる重金属&変拍子&前衛ジャズが、ウェストコースト・アンダーグラウンドの雑食性ハイブリッドの優位性を証明する。
続きを読む逸脱を極めれば極めるほど、古典や伝統への親和性が高くなる。異才ギタリスト、パク・ハンアル率いる無名の小惑星の名前を持つトリオの演奏は、まだ誰も提唱していない「特殊逸脱性理論(Special Deviation Theory)」の確立なのかもしれない。
続きを読む注目のトランペット奏者ピーター・エヴァンスの初来日公演「JAZZ ART せんがわ2018」でのステージを3人のコントリビューターがクロス・レビュー。それぞれ異なる視点から分析する。
続きを読む何百億円も費やす国家的一大イベントに引けを取らない市民レベルの国際音楽交流の場『Jazz Art せんがわ』を経験出来る僕たちは、メダリストにも負けない貴重な記憶の更新者なのである。
続きを読む初来日を果たす稀代のトランぺッター/インプロヴァイザー、ピーター・エヴァンスの豊かな音楽性を理解する手助けとして、彼のディスコグラフィーから参加ミュージシャンや内容などを考慮して計15枚を取り上げたカタログミニレビュー。
続きを読むウェストコースト・アンダーグラウンドのオリジネーターのひとつロヴァ・サクソフォン・カルテットの40周年記念アルバム。コンポジションにフォーカスし、円熟と野心に満ちた、次の10年への所信表明といえる渾身作。
続きを読むNY即興シーンを代表する二人の音楽家の初デュオ作品は、大胆なスタジオ・ワークを駆使して、即興音楽の先にある異端世界を目指す問題作。
続きを読むフリージャズや即興音楽に限定されない活動を貫く二人の個性派アルトサックス奏者、望月治孝と川島誠のスプリットLPがフランスから登場。
続きを読むジャズはもちろんすべての音楽表現の先の先を追い求めるクリス・ピッツィオコス・ユニットのスピード感に満ちた新作は、世界と音楽の終末観を突き破る銀の弾丸である。
続きを読むノー・インプット・ミキシング・ボード奏者フィリップ・ホワイトと即興サックス奏者クリス・ピッツィオコスのデュオ第2弾。ノイズとメロディの二つの音の位相が絡み合い、未開の表現領域に肉薄する鮮烈なドキュメント。
続きを読む30年の沈黙ののち再び活動を始めた異端の女性シンガー、パティ・ウォーターズが盟友ピアニスト、バートン・グリーン等と繰り広げた最新ライヴ音源。「伝説」と言う過去の亡霊を吹き飛ばす迫真性に満ちている。
続きを読む日本地下音楽シーンの個性派二人による音楽の消失した先にある表現の地平を垣間見せるミニアルバム。即興音楽の深みと味わいを強く感じさせる宝石の一枚。
続きを読む音楽シーンの「はぐれ星」であるレント・ロムスとライフス・ブラッド・アンサンブルの最新作は、「JAZZ」という伝統的なスタイルに秘められた無限の可能性を探索するピュア・ジャズの意欲作である。
続きを読む地獄から復活したクラリネット奏者ピーター・キューンの活動の核を成すトリオの新作にあふれる無為自然の意図は、レント・ロムスと共振する西海岸即興シーンの奇跡的な超越的集合体を産み出した。
続きを読むニューヨークの変容するジャズの世界を生き抜くピアニスト蓮見令麻の歌を中心にしたトリオ演奏は、高潔な美意識の内側に漲る母性と慈しみに触れる心温まる一夜だった。
続きを読む優れたサックス奏者であるだけでなく、プロデューサー/キュレイターとしてウェストコースト即興シーンのキーパーソンでもある鬼才レント・ロムスがユニークな音楽思想を語る。
続きを読む『The Expedition(探検)』というタイトル通り、レント・ロムスたちの音楽探検の旅が記されたたサンフランシスコ・シーンの息吹を感じる最高のドキュメント。
続きを読む地下音楽のカリスマ灰野敬二とトルコのオーガニック・ミュージック・コンボ、コンストラクトの共演は、二つの世界の境界を滲ませる灰野哲学の伝承である。
続きを読む灰野敬二とUK即興サックス奏者ジョン・ブッチャーの共演ライヴ・アルバム。タイトル通り『眩しからぬ光』が両者のコラボの変化と発展の動機/要因/目的/希望である。
続きを読むSpotifyのサービスで出会ったサンフランシスコのサックス奏者レント・ロムスが主宰する自主レーベル「エッジトーン・レコーズ」のキャッチフレーズは「My Music Is Weirder Than Yours!(僕の音楽は、君の音楽よりもっと奇妙だよ!)」というもの。ヘンタイ音楽愛好家にとってこれほど心躍るフレーズはない。
続きを読むこのアルバムは時代や国境や社会情勢に関係なく「人間存在」に対する「?」を提示しているのである。そして全人類の内、筆者を含むある一定のパーセンテージ、それがたとえ0.000000013%(73億分の1)であれ、「?」を愛する者が存在する限り、常に「この1枚」と呼ばれ続けるに違いない。
続きを読む「見つかる」ことで世界が広がることは、地下音楽でも地下アイドルでも違いはないことを実感した2017年であった。
続きを読む音楽を面白いと感じる心の赴くところへ足を運びたい、と信念を新たにした2017年を日本地下音楽の新章のスタートに。
続きを読むサンフランシスコのサックス奏者レント・ロムスのレギュラー・グループ「Lords of Outland(ガイキチ君主)」の最新作。西海岸の緩やかな共同体は音楽の精神的治外法権を志向する。
続きを読むエッセンを拠点にジャズ、実験音楽、即興、現代音楽、劇音楽といった幅広い分野で活動する若手サックス奏者フローリアン・ヴァルターの初来日ツアー。日本の個性派ミュージシャンとコラボした2回のライヴ・レポートとインタビューでドイツ即興シーンの現在を探る。
続きを読む三者三様のベストプレイが炸裂するこのアルバムを聴いていると、世界の中心で“ジャズ”と叫びたい気持ちになれる。
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