#01 『グランギニョル / Gran Guignol』 剛田 武
封印された暗い欲望を攪乱・拡散・覚醒する
続きを読むJazz and Far Beyond
封印された暗い欲望を攪乱・拡散・覚醒する
続きを読む多数の有志の演奏家・身体表現者が多摩川の河原に集う野外イベント。
続きを読むノマルでは初となる高嶋展で、イギリスの重鎮ドラマー/パーカッショニスト ロジャー・ターナーとsara (.es)が初の共演ライブを行います。
続きを読む現代美術界のP.S.F.レコードのような存在
続きを読む「SENSES COMPLEX-五感を超えて、感覚が交差・拡散する地点」というギャラリーノマルのコンセプトの具現化に違いない。
続きを読むタイトル通り東京NEO UNDERGROUND/シン・即興シーンの魅力が爆裂する貴重なイベントになるに違いない。
続きを読む2024年、50周年の岡山のペパーランド、35周年の大阪のノマル。
続きを読む4時間に亘るイベントは、表現者としての彩Sayaの今後の飛躍を予感させる生命感に溢れていた。
続きを読む音響の鬼才と称される宇都宮の生のパフォーマンスを体験できる絶好の機会をお見逃しなく。
続きを読むアナザー・ミュージックからアナザー・ワールドへのシフト。思考する音楽ユニットAgencementが導く音楽体験の醍醐味であろう。
続きを読む一瞬一瞬への集中という普遍的な共通項をもつ両者の音が空間にどんな美を生み出すのか?
続きを読む実験音楽、オーディオビジュアル、パフォーミングアーツを紹介するイベントシリーズ『MODE』が東京・恵比寿のライブハウスLIQUIDROOMにて『MODE AT LIQUIDROOM』を開催。
続きを読む現代即興シーンの最前衛を体現する二人の限界点超えのパフォーマンスは見逃せない。
続きを読むドイツの前衛サックス奏者フローリアン・ヴァルターの一回限りのライヴ公演が決定。
続きを読む自由奔放&出鱈目に吹き散らされるサックスやフルートに陶酔して、自分にとってのジャズとは何かを悟った18歳の目覚めであった。
続きを読む進化し続ける二人の限界点越えのコラボレーションを直接体験できることは、2024年即興音楽シーンのハイライト、つまり不気味の谷ならぬ「明快な頂点」となるに違いない。
続きを読む動物にせよ人間にせよ、集団意識の出発点として遊びがあるに違いない。そのドキュメントとして聴いてみるのもまた一興。
続きを読む“演奏者も観客も含めた新世代の実験音楽”―これがMODEのコンセプトかもしれない。そしてそれは決して”世代交代”ではなく、”世代を超えた実験音楽の輪廻転生”であることを、この日のコンサートが証明していた。
続きを読むフランスの音楽家・作曲家・即興演奏家のデルフィーヌ・ドーラによる来日ライブ・ツアー。
続きを読む多種のリズムのサラダボウルを遊び心たっぷりに料理するワイスの”勝算五分五分”トリオの創造の泉は滾々と溢れ続ける。
続きを読む今まで経験したことのない異次元の聴覚体験による甘美なカタルシスの快感に溺れていく。
続きを読むAnode/Cathodeがでっち上げだったお陰で、日本地下音楽の深淵に人知れず輝く第五列と金野 “onnyk” 吉晃という宝石を再発見する幸運に巡り合えたわけだから、これこそ「嘘から出た真実(まこと)」であろう。
続きを読む巻上公一がNYのFOUNDATION FOR CONTEMPORARY ARTSの2024年度芸術家助成(Grants to Artists )に選出された。
続きを読む時系列、立場が異なる3名が初めて「共演」という形で交わる、貴重な一夜となります。
続きを読むJazz Art せんがわの手本であるメールスが逆にせんがわから学ぼうとしている。これこそ「ひと言で判られないフェスティバル」の真の在り方であろう。
続きを読む和み系の音色を、レトロでサイケデリックで時に狂信的な音像へと変幻させるおもちゃの音楽家の無邪気と天邪鬼の狭間に漂う危うい感性の閃きは、地下音楽や即興音楽に通じる異端精神に溢れている。
続きを読むこの追悼コンサートの出演者の幅広さをみれば、悠さんがジャンルやスタイルを遥かに超えて(Far Beyond)、汲めども尽きぬ豊饒の音楽を聴き、語り、愛してきたことがよくわかる。
続きを読む住宅地のど真ん中にある扉を開けるとジャズ・レジェンドたちの肖像写真に囲まれた音楽空間が広がるマジカルなスペースで繰り広げられるドイツ・アヴァン・ジャズの熱演は、おそらくヨーロッパの田舎町のライヴハウスやジャズカフェでの演奏に近いシンパシーを感じたに違いない。
続きを読む自由奔放なサックスがリードするスリリングなサウンドには即興ジャズに通じるアヴァンギャルド感覚が溢れている。
続きを読む宇都宮泰の神音「Utsunomia MIX」シリーズ4枚目、5枚目に関わる音楽家全員集合!さらにゲストも加えた一大音楽イベント!!
続きを読む本作は絵筆代わりにギターで描いたサウンド・ペインティングであり、”100%組原正”のプライベート・コレクションである。秘密の日記を盗み見(聴き)する禁断の歓びを味わえる愛おしき作品。(地下)音楽愛好家にとってこれ以上の至福はない。
続きを読むフリー・ミュージック、アンビエント、プログレッシヴ・ロック、現代音楽、民族音楽、サウンドアート・・・。そのいづれでもありどれでもない正体不明の我楽多音楽。行き過ぎることを恐れない地下音楽の精神を諧謔趣味の遊び心で継承するシン・即興派の神髄がここにある。
続きを読む「行き過ぎることを恐れない」という地下音楽の精神を現在これほどまで体現している人間は佐伯武昇の他にはいないだろう。なぜ彼はそんな表現行為をするに至ったのか、そしてこれからどこへ行こうとしているのか?その秘密を探るべく本邦初のインタビューを敢行した。
続きを読む東京NEO UNDERGROUND/シン・即興シーンのEXPLOSIONとCHAOSを体験してください。
続きを読むUtsunomia MIXの第5弾『HUMANKIND / sara(,es), 大友良英, 磯端伸一』のリリースを12月6日に控えたsara(.es)の年内のライヴは二本。いずれもアートの場から生まれた音楽ユニット.esの魅力を体感できるユニークなイベントです。
続きを読むリアルを超える記録創作というUtsunomia MIXプロジェクトの証人として、当日の会場での体験が、CDに記録されたサウンドによって、より鮮明化されることをご体験ください!
続きを読む深いリバーヴに包まれた音楽創造空間としてのギャラリーノマルが眼前に広がる体験を与えてくれる。これこそ聴覚スペクタクルの極致といえよう。
続きを読む「すべてが完成していたら、前途にはもう何もないのです」というイリヤ・カバコフの言葉通り、果て=完成がないからこそヒカシューはどこまでも行けるのだ。
続きを読む僕はロンドンの秘密で非合法の文化大使なんだ。これまでに多くのことを成し遂げ、今もなお多くのことを行い、保管庫/桶/棺桶/カタコンベから引っ張り出している。まだまだ続けるよ。
続きを読む園田游と前田隆が創り出す世界は<静寂>という音楽を『場』に捧げる儀式であった。立ち会う者は何も考えず、目に聴こえて、耳に見える音楽を受け入れればいい。いかなる作為も必要がない音楽の存在を愛でるだけでいいのである。
続きを読むUtsunomia MIXで再現されるギャラリーノマルとsara(.es)の無尽蔵の創造性は、聴く人すべてにこれまでの音楽作品とは一味違う豊穣な聴覚体験を与えてくれるに違いない。
続きを読むロサンゼルスを拠点に活動する日系4世アメリカ人のマルチ楽器奏者、作曲家のパトリック・シライシが単身来日し、日本の個性的ミュージシャンと共演する二日間の特別公演が決定。
続きを読む2017,18,19年にソロで来日し驚異的なテクニックと既成の音楽概念に拘らない柔軟な音楽性で衝撃を与えたドイツの若手サックス奏者フローリアン・ヴァルターが参加するサックス、ギター、ドラムからなるトリオ『MALSTROM(マルストローム)』の初の来日ツアーが決定!
続きを読む「ECMよりESP」をモットーに音楽を聴き続けてきた果てに出会ったRune Grammofon。訳のわからない作品が目白押しの変態レーベルを世界に拡散しようとしたECMの度量の広さは評価すべきであろう。
続きを読む瞬間に生きる即興演奏家の気迫が生々しく伝わり、“行き過ぎることを恐れない”地下音楽の本質を実感できる、まさに体験する即興ライブ・サウンド・ドキュメンタリー。テレビやパソコン画面ではなく、映画のスクリーンで観てこそリアルな体験ができるはずだ。
続きを読むふたつのRebel Music(反逆の音楽)が、世代や文化的背景や音楽スタイルの違いを超えて「ひとつ」になり得ることを証明する、タイトル通り『進化する出来事』を記録した作品である。
続きを読むニューヨークのファンデーション・フォー・コンテンポラリー・アーツ(Foundation for Contemporary Arts/FCA)は2月15日、2023年度の助成芸術家を発表し、音楽家の灰野敬二がロイ・リキテンスタイン賞(Roy Lichtenstein Award)を受賞することが決定した。
続きを読む品行方正がクラリネットの特徴なのかどうかはわからないが、作曲と即興の交差点/自然と音楽の接点に位置する自制のとれた作品として成り立っている。
続きを読む『Esquisse』=スケッチ(素描)というタイトルのソロ・アルバムから始まったsaraとギャラリーノマルの未来が、この先どのようなアート作品へと進化していくのか楽しみにしていたい。
続きを読む《アルトの芸術》とは些か仰々しく聞こえるかもしれないが、ピッツィオコスが10年間の活動を通して探求してきたアルトサックス・ソロの集大成に相応しいタイトルに違いない。
続きを読む70歳を過ぎてさらに転がり続ける灰野にとって、制限下の新たな交わりから生まれる創造性が活動の糧になるはずだ。
続きを読むレコード(記録)として残すことへの熱意から生まれたのがJUKE/19の作品群だと考えれば、リリースから40年以上経って、リマスター&特殊パッケージのアナログ盤として再び世に出ることは必然なのではなかろうか。
続きを読むこのアルバムに収められた壮大かつ豊潤な音楽は、ファースト・ネイションという特定のコミュニティに限定されるものではなく、人間一人一人に流れる血の歴史の永続性に思いを巡らすために、重要なヒントを与えてくれる「導き」と言えるだろう。
続きを読む60年代末の日本のフリージャズの初期衝動そのままの激烈なインプロヴィゼーションが目の前で展開される奇跡。半世紀近く過ぎてなお、なぜこれほど冷徹で凄まじい演奏行為をやり続けているのだろう
続きを読むブロッツマンと灰野という二人の音楽家の長い人生の旅路の交差地点が4枚のレコードに集約されているように感じられる。
続きを読むクリス・ピッツィオコスの作曲家・理論家としての才能を詳らかにする野心作であり、即興音楽を内包した作曲音楽の現在進行形を明らかにする注目作である。
続きを読むコンテンポラリー・ミュージック・ユニット.es(ドットエス)の生まれた「場」としてJazzTokyoの読者にはお馴染みの大阪の現代アートギャラリー「NOMART(ノマル)」の初めての東京での展覧会。
続きを読む灰野も彩も、言葉や旋律のないヴォイス・パフォーマンスを得意としているからこそ、「歌」だけでなく「声」によるコラボレーションこそが精魂の個性となり得るのである。
続きを読む二人の声を中心に、アコースティック楽器とエレクトロニクスが交錯する未知の音楽世界。灰野ファンにとっても彩ファンにとっても、新鮮な驚きを味わえるライブになることは間違いない。
続きを読む彼らが吐き出す三つの音の蜘蛛の糸の絡み合いが、雑踏時代の人類と音楽の関係を再定義する兆しになれば是幸いである。
続きを読む犬の吠え声や野鳥の鳴き声が演奏・歌唱と共存し、芸術と自然がひとつになれる理想的な環境である。
続きを読む神性を剥ぎ取られたパイプオルガンの音色は何と無垢で脆いのだろう。デルフィーネ・ドラのヴォーカライズが教会オルガンの空っぽの心を慈しみで満たす。21世紀の”歓喜の歌”は斯様にあるべきなのかもしれない。
続きを読む楽器も場所も彼女自身と言っても過言ではない最高に理想的な環境で生み出されたピアノ演奏は、この上なく優しく自由で、母の胎内にいるような安心感に満ちている。
続きを読むこのアルバムから筆者が感受するのはサックス演奏ではなく、息=呼吸=空気(l’air)の聴覚ドキュメンタリーである。
続きを読む詩から解放された歌、意味から解放された言葉を歌うヒグチの声は呼吸と一体化し、体内をめぐる血液のように、ずきんずきんと鼓動する。
続きを読む音楽だけに留まらないミルフォード・グレイヴスの魅力と、それに感化された演奏家たちの交流のドキュメントとして、想像力を逞しくして味わい尽くしたい芸術品である。
続きを読むヨーロッパの最深部に蠢く音楽共同体ザ・ドーフが真のD.I.Y.精神を発揮して作り上げた新世代のプロテスト・ソングには、不条理の時代に表現のユートピアを作ろうとする強靭な意思が漲っている。
続きを読むザ・ドーフを設立し運営しているのは私ですが、このバンドは私自身ではありません。村、家族、コミュニティ、シーンを作ろうとする試みであり、バンドですらなく、現在進行形のプロセスなのです。
続きを読むアダム・ルドルフと9人のギタリストが創造した『共鳴体』は、音響による宇宙の箱庭化であり、モーゼの『創世記』に描かれた天地創造の再検証と言えるだろう。
続きを読む英国アンダーグラウンド音楽界のレジェンド、ジョン・ラッセル氏の旅立ちから約1年。今回はジョンさんの朋友であり、彼を6回日本へ招聘したサブ豊住さん (drums)、同じく氏と親交が深かった庄子勝治さん (sax)、そしてジョン氏と二度の共演を果たしたsara (.es / piano) の三名が天のレジェンドへ“贈る”べく、自然体の音を放つ。
続きを読むカセットテープ特有のヒスノイズが、時代の証人として「便利」一辺倒のリスニングを拒否する。
続きを読む異端音楽家の魂が「盤」という形で未来永劫に生き続ける証である。
続きを読むsara=.esドットエスの行くべき道が荊の道や蛇の道ではなく、創造の神の祝福を受けた愛の道であることを予感させるコンサートであった。
続きを読むこのアルバムがジョン・コルトレーンの未発表音源に匹敵する、などと言うつもりはないが、どこでも聴けるコルトレーンよりも、誰も知らない異能ミュージシャンの未知の音楽との出会いに喜びを見出す音楽ファンも少なくないに違いない。
続きを読む即興演奏の粋を極めた4人のミュージシャンによる同時多発演奏であるマージナル・コンソートのパフォーマンスは、不定形な即興音楽のアクロバットを演者と観客が一緒になって楽しむサーカスと言えるだろう。
続きを読む2019年のマンスリーライヴで振り返った過去40年間の楽曲と、緊急事態宣言下で即興で制作された前作『なりやまず』の両方の要素、つまり作曲と即興が混然一体となったヒカシュー・ワールドの現在進行形が集約されている。
続きを読む「大渦潮」を意味するバンド名通り、ありとあらゆる要素を巻き込んでぶち壊してから新たな音楽を生み出すマルストロームの方法論こそ、<破壊なくして創造なし>という真理を音楽の最前衛で実践する新世代パワートリオの証である。
続きを読む世界中には異形の音楽表現を求めてやまない多数の音楽信奉者が待っている。この”超イケてる”アルバムを聴きながら、この厳格な音楽宣教師が使命を全うする日を待ち望むしかないだろう。
続きを読む伝統的な英国の風土と自由で多面的な音楽経験に支えられた4人の“ミュージシャン≒マジシャン”の表現の前では、Free MusicやNon-Idiomatic Improvisationといった鹿爪らしいお題目は忘却の彼方へ消え去ってしまう。
続きを読むもし彼がECMや居住国オランダのICPなどの有名レーベルから作品をリリースしていれば状況は違ったかもしれないが、そうしなかったグリーンに俠気(おとこぎ)を感じて惚れ直す筆者のようなファンも少なくないだろう。
続きを読む前衛だからと言ってしかめっ面をする必要はない。子供でも“実験って面白い!”と楽しめる、それが“トゥビフリ”精神なのだ。
続きを読むコロナ禍が続く中、以前のように自由にコンサートを開催することが難しい状況ではあるが、これからも橋本君が喜び驚くような“とんでもない”演奏が、いろんな場所で繰り広げられていくことは間違いない。それを確信させる演奏会だった。
続きを読むそれぞれが異なる地平に立ちつつも、演奏が進むにつれて表情を変化させて、ダイナミックに響き合ったり、静寂に収斂したりしながら同化と異化を繰り返すプロセスに、ひとつのバンドならではの魂の共感と進化を感じる。
続きを読む常に独自の表現を求め、常識を破壊し続けた橋本君に相応しく、「悼む・偲ぶ」のではなく彼が聴きたかったであろうミュージシャンを一堂に集めた演奏会を開催します。
続きを読むそこには阿部や浦邊はもちろん、誰との比較をも許さない、冷徹なほど屹立したアルトサックスがモノトーンの色彩を放っていた。それは筆者の意固地なジャズへの被害妄想を突き崩し、贖罪として筆者は自分語りに始まるディスク・レビューを書くに至った。
続きを読む工藤冬里のピアノを聴きながら記憶の中に浮かび上がる風景は、輪郭のぼやけた幽霊に過ぎないが、自分の歴史の投影だとしたら、それはすなわち幽体離脱体験と言えるだろう。
続きを読むこのアルバムに描かれているのは間違いなくクリス・ピッツィオコスというひとりの人間の魂と肉体である。現在のピッツィオコスのありのままの音楽を時間をかけて濃縮することにより、彼自身の未来の音楽と人生の在り方を刷新した。
続きを読むこれほど表情豊かなバンドは他にいるだろうか?男は黙って背中で語る、というのは過去の美徳。顔満面の表情でサウンドを奏でるのが異形のロックバンドの心意気なのだ。
続きを読む40年以上の長きに亘り音楽とアートの最前衛で活動し続ける3人が若き日に繰り広げた逸脱表現は、過去(70年代)から断絶し、新時代(80年代)の前衛音楽の到来を告げる予兆である。その意味で『歓喜の逆火』とは言いえて妙である。
続きを読むチャック・ジョンソンのペダル・スチール・ギターが描き出すサウンドは、蜃気楼のように浮かび上がる遠い記憶を掴もうとする夢の世界のサウンドトラックである。
続きを読む二人の即興サックス奏者による、古代の記憶と共に眠れる精霊を呼び覚ますかのようなデュオ演奏は、音楽の原初の形を取り戻す試みに違いないのである。
続きを読む自らの原点であるロフト・ジャズ時代の音源を掘り起こして世に問う意図は、経済的な見返りを求めることなく、自分たちが望む音楽を一途に追求した希望に満ちた日々を今こそ取り戻そう、という決意表明なのかもしれない。
続きを読むメディテーション・ミュージック的であり、環境音楽/アンビエント・ミュージック的であり、フィールド・レコーディング的であるが、本質的には生楽器の即興演奏のドキュメントである。いわば一人の演奏家の意思による“Improvised Meditation Music(即興瞑想音楽)”と呼ぶのが相応しい。
続きを読む伝説のビート詩人ルース・ワイスの遍歴と思想を綴ったポエトリーが、ロムスたちのインプロヴィゼーションと見事に絡み合い、二つの異なる視点からアメリカのカウンターカルチャーの歴史を俯瞰する壮大なオーラル・ストーリーが描かれている。
続きを読む浦邊にとって音の鳴り方と魂の震え方に違いはない。両者が同じ振動で波打つことが、浦邊雅祥の音楽の魅力であり怖さなのだと思う。
続きを読む『クトゥルフ神話』や『スター・ウォーズ』や『グイン・サーガ』の異端音楽版とも呼べる、壮大なるSun Ra Mythology(サン・ラ神話)が着実に語り継がれていることが証明された。
続きを読むかつてハードロックの突然変異と呼ばれた不失者は、決して特殊な異端者ではなく、音楽表現の在り方としては正統派に他ならない。それはコロナ禍が完全に収束しない中、演奏するのが待ちきれないとばかりに出演を快諾したゲスト・ミュージシャンの満足そうな笑顔を見れば明らかだ。
続きを読む本作に通底する言葉にできないほどヘヴィなメッセージには、マイナスをプラスに転化しようとする意志と希望が込められている。世界にどんなことが起ころうと、ヒカシューがやるべきことはただ一つ、鳴り止まない音楽を奏で続けることだけなのだから。
続きを読む意識の塊のようなドットエスの二人の演奏に、”たまたま落ちていた音。たまたまそこにあった音”を重ねることで、疑似アンビエント空間に放り込み、デュシャンの「泉」のように聴き手の価値観の攪乱を意図したのである
続きを読む抽象と具象、無意識と有意識、無為と有為、Catastrophe(崩壊)とCreation(創造)。ジャクソン・ポロックが導くドットエスの表現行為はまさしく「アクション・インプロヴァイジング・ミュージック(行為としての即興音楽)」と呼ぶのが相応しい。
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