Jazz and Far Beyond
1940年代、チャーリー・パーカー、コールマン・ホーキンスやレスター・ヤングなど多くのジャズ・ミュージシャンがストライプ柄のズート・スーツを好んで着ていた。
カウント・ベイシーの口述による自伝『グッド・モーニング・ブルース』を読んでいると、第二次世界大戦前の記述にミュージシャンたちが帽子を着用している様子がよく描かれている。
1920年代にファッションと音楽が密接な関係にあった頃に戻り、最初の黒人ビッグ・スターとも言える『黒いヴィーナス』の異名をとるジョセフィン・ベイカーについて。
前号#68で扇子について取り上げた。カウント・ベイシーの妻であったキャサリン夫人は、結婚前はショウガールであり、『ファン(扇子)ダンサーとして働いていた。』という記述があったことからだった。今回はそのアメリカに於ける『ファン・ダンス』『ファン・ダンサー』について、焦点を当ててみる。
2024年はカウント・ベイシー生誕120年没後40年にあたる。カウント・ベイシーの夫人の話から始まって、少し幅広いジャンルで扇子、舞踊、音楽の関係ついて見てみようと思う。
1940~1950年代のジャズ・ミュージシャン達の着ていた『体を寒さから守る』オーバーコートについて。
ホレス・シルヴァーの『6Pieces of SILVER』(1956年)のアルバムカバーに、シルヴァーがトレンチコートを着て公園のベンチに座り、新聞か譜面か何かを読んでいる姿がある。
2023年7月21日に逝去した、今世紀最後の偉大なジャズ・ポップ・シンガー、トニー・ベネットを偲んで。
ジャズ・ミュージシャンなら誰でもボウタイの1つはもっているだろう、ボウタイについて。
美しいアニタ・オデイの代表的スタイル、特にスリーブレス・ドレスと白い手袋について。
1940年代後半から女性シンガーたちが、ステージでも着るようになったブラウスについて。
2023年年頭にあたり、昨年9月にアルバム『ボルドー・コンサート:Bordeaux Concert』をリリースした、現在療養中のキース・ジャレットを、彼の回復を祈って取り上げる。
ホリデイ・シーズンに相応しい、グリッター(光り物)・ファッションについて。
『ブルーノート・イヤー、ザ・フォトグラフィー オブ・フランシス・ウルフ』という写真集に出てくる多くのミュージシャン達が、ボタンダウンカラー・シャツを着ている。
MJQのメンバーたちは、間違いなく皆、アメリカン・トラッド・スタイルを素敵に着こなしている。
1930年代に流行した『モンキーバック・スーツ』とカウント・ベイシーのバンドリーダーとしての装い。
ビリー・ホリデイの数あるドレスの中に、胸に巨大なボウがついたドレスがある。
ジュディ・ガーランドをはじめとし、多くの女性ジャズ・ミュージシャンたちに愛されてきた『リトル・ブラック・ドレス』について。
ブランドの元祖『グッチ』とオスカー・ピーターソンのファッションについて。
スポーツウエアとしてのスキーウエアが登場する以前のビリー・ホリディとルイ・アームストロングのスキー・ウエアについて。
2月21日はニーナ・シモンの生誕89年の誕生日にあたる。
ニーナ・シモンと言えば、ユニークなヘアスタイルの、強く、気高く、神々しい姿が思い浮かぶ。
ベッシー・スミスはブルースを唄うシンガーであったが、新しいファッションで新しいパフォーマンスを披露する新しい時代を牽引する女性の一人だった。
1940年代後半から~1950年代にかけ、女性ジャズシンガー達の間でまるでお姫様が着ているようなステージ・コスチュームが流行った。
ローリング・ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツはロッカーであるだけでなく、ジャズ・ミュージシャンであり、高い美意識を持つエレガントなベスト・ドレッサーだった。
1923年、若きカウント・ベイシーが故郷レッドバンクから初めてニューヨークに行く前に購入した『モンキーバック・スーツ』について。
ジャズのスタンダードナンバー<ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス:Polka Dots and Moonbeams>からファッションの話を一つ。
ワイルドでマッチョな雰囲気の男性がよく似合う『ヘンリーネック・T-シャツ』とジャズ・ミュージシャンについて。
フランク・シナトラのイメージカラー『ブルー』と『オレンジ』について。
眼鏡、サングラスの歴史とスタイル、ジャズ・ミュージシャン達が流行させたと言われるサングラスについて。
4月7日のビリー・ホリデイの106歳の誕生日を祝し、彼女の美しく独特なスタイルを称えたい。
スタイリッシュ度は極めて高く、現役のミュージシャンの中では抜きん出ている、ソニー・ロリンズのビッグ・サイズ・ファッションについて。
スウェーデンのジャズ・シンガーで女優でもあるモニカ・ゼタールンド のエレガントで洗練された’60年代調ファッションについて。
世界中の人達に愛された超一流ミュージシャン、ルイ・アームストロングの白いハンカチーフとソックスについて。
史上最高のエレクトリック・ベース奏者ともいえるジャコ・パストリアスのファッションは、9月にCOVID19の感染により亡くなった日本人ファッション・デザイナー高田賢三がルーツ。
アストラッド・ジルベルトは彼女の女性像、ファッション共に、1960年代そのものだった。
ファッションにはほとんど興味のなかったジョン・コルトレーンのファッションについて。
1940年代から1950年代のチャーリー・パーカーのネクタイと彼のファッションについて。
偉大なバンド・リーダとして活躍したカウント・ベイシーと、トレード・マークでもあったキャプテンズ・ハットについて。
アメリカ文化とフランス文化の関係をシドニー・ベシェとエルメスのスカーフを通してみる。
ジャズ史上極めて重要なピアニストであるビル・エヴァンスの1970年代の変身ぶりについて。
1950年代に流行した『ニュールック』のエラ・フィッツジェラルドとマリリン・モンローの関係について。
カンザス・シティ出身のトランペット・プレイヤー、ハーモン・メハリが挑んだパリ・コレクション『オム・プリッセ・イッセイ・ミヤケ』のショウとパフォーマンス。
暦の上では春。ビリー・ホリディのファー・コート(毛皮のコート)と春を象徴する花『スミレ』を歌った『コートにスミレを』について。
キャブ・キャロウェイといえば誰もがステージ上で燕尾服を着て歌い踊る姿を想像するだろうが、何故、彼がホワイトの燕尾服を着るようになったのだろうか?
新しい年の幕開けには、明るく楽しく、お目出度い、ルイ・ジョーダンでスタート。
1960年代半ばから、どんどん派手で過激に歳を重ねていくのと同時に俄然面白くなってきた、オーネット・コールマンのファッション。
ヘイゼル・スコット。女性ジャズピアニストの草分け的存在でもあり、ジャズ、クラシックのピアノニストであったと同時にシンガー、女優でもあった多才なアーティストだ。
1960年代後半から1970年代にかけ、アメリカのジャズ・ミュージシャン達の多くが露骨にアフリカン・ファッションを身に纏ってステージに立つようになってきた。
ソニー・ロリンズとマイルス・デイヴィスのレッドは特にヒップだ。
パット・メセニーというとすぐに『ボーダーストライプのT シャツ姿』が思い浮かぶ。
自立した女性がブラック・ファッションに身を包む、アビー・リンカーンならではの装い。
ビリー・ホリデイのガーディアの花でもなく、華やかなローブ・デコルテのロングドレスの話でもない。ビリー・ホリデイの愛犬の話について。
1956年Verveレコードの『ELLA AND LOUIS : エラ&ルイ』のアルバムカバーに見られる2人のファッションについて。
カンザス・シティで活躍していたビッグ・ジョー・ターナーとジミー・ラッシンッグ。
体が人並みはずれて大きいが、粋でおしゃれなシンガー達だ。
2018年の2月号#238に、『 チェット・ベイカーのミニマリズム』として彼のT-シャツスタイルについて取り上げた。ちょうど1年後、また<My Funny Valentne>の季節である。今回は、チェット・ベイカーのセータースタイルについて見てみよう。
メルバ・リストンは女性であることを全く媚びず、インテリジェンスをひけらかす事もなく、常に控えめなファッションに身を包み、あくまで男性陣の中に巧く溶け込み、やるべき事を完璧にこなして行った。そこに『メルバ・リストンの真のエレガンス』がある。
タイム・ライフ社が1998年に出版した『remembering SINATRA- A life in pictures 』という本が本棚に眠っていたのを思い出し、改めてそのカバーのフランク・シナトラを見て、何とも粋にハウンドトゥース・チェック(千鳥格子)のジャケットを着こなしているな、つくづく思う。
<Guess Who I Saw Today ?>の人である。自分に何が似合うかを、どうしたら自分らしさを、自分の美しさを見せる事が出来るか、よく知っているナンシー・ウィルソンは歳を重ね、更に洗練され、優美になっていく。
<Feel So Good>の美しいメロディーとフリューゲルホーンの音色は、チャック・マンジョーネの完璧さ、爽やかさ、クリーンさそのものを見事に反映した演奏、と彼のファッションからも言えるだろう。
1960年、27歳のクインシー・ジョーンズは自己のバンドを率いて、ヨーロピアン・ツアーを行っている。この時、彼とバンドメンバーがユニフォームとして着用していたセーター・ルックが当時、如何に画期的なものであったか、この奥の深いテーマを探ってみた。
エラ・フィッツジェラルドとサラ・ヴォーン。ジャズ史上最も有名な女性トップ・ジャズ・ヴォーカリスト達である。レディ・エラとディヴァイン・サラ。ジャズシンガーの女王達の数ある写真の一部から、彼女たちの存在感溢れる姿とファッションを見て欲しい。
ホワイトシャツはスーツを着用する男性にとっては基本必須アイテムだ。今回は、ジェリーマリガンのホワイトシャツ姿がいかに魅力的か、見てみる。
ディジー・ガレスピーとベレー帽、角縁眼鏡スタイルほど、新しいスタイルの音楽とスタイルが密接な関係にあり、あるジェネレーションのシンボルになった例はないだろう。
『4.スタイリッシュなバンドリーダー達』で初期のバンドリーダーやメンバー達が、如何にお洒落に気とお金を使っていたか、という事を書いた。
ほとんどのバンドが専属シンガーを抱えていた。シンガー達は一際目立ち、個性的でユニークなファッションでバンドに花を添える存在だった。
ビリー・ホリデイというと誰もが髪にさした白いガーディニア(梔子)の花を思い浮かべるだろう。私はビリー・ホリデイについては、彼女が晩年よく着ていたシンプルなニットセーターがゴージャスなドレス姿よりもさらに彼女を美しく素敵に表現していると思う。
レスター・ヤングのポークパイ・ハットはあまりに有名で、彼のトレードマークとなっている。ポークパイ・ハットを被った姿多くの写真が残されており、アルバムカバーにもなっている。
T-シャツ1枚のチェット・ベイカーがセクシーでクールだと感じる。
無駄なものはない、彼のミニマリズムなのだ。
『アイビー・ルック』というと、20世紀に最も流行ったファッション・スタイルの一つである。誰がファッション・アイコンだったか、という事にはいくつかの説がある。マイルス・デイヴィスを中心としたジャズ・ミュージシャン達だ。ジャズ関係者ならほとんどの人が、マイルス・ディヴィスが『アイビー・ルックのファッション・アイコン』という事に異議を唱えないだろう。
アイビー・ルックについて。そして、どうしてマイルス・デイヴィスが、なぜ彼を中心とするジャズ・ミュージシャンにまでアイビー・ルックが広がったかについて探ってみた。
メリー・ルー・ウィリアムス(Mary Lou Williams:1910年5月8日〜1981年5月28日)は女性ジャズ・ミュージシャンのパイオニアであり、ジャズシーンに最も貢献した女性ピアニスト、コンポーザー、アレンジャーの一人でもある。
彼女のミュジシャン活動の初期、1930年代に活動していた頃のファッションに注目したい。
初期の多くのジャズミュージシャンたちは服装に凝っていた。パリッとした服装は成熟と成功を意味していた。
アニタ・オデイ、というとほとんどのジャズファンが1958年のニューポート・ジャズフェスティバルでブラックにホワイトのオーストリッチのついたドレスを着て<Sweet Georgia Brown >と<Tea for Two >を歌う姿を思い浮かべるのではないだろうか?
チャーリー・パーカーが好んで着ておりよく似合っていた、と思うのはペンシルストライプの間隔が少し幅広で地の色が濃いスーツだ。ダブルブレストの4つボタン6つボタンで襟は幅広のピークドラペル( 襟先が尖ってシャープなもの)。トラウザーはゆったりしたで幅広のシルエットで裾はシングル。バードの写真の中にシャツに皮のサスペンダーをしている写真をよく見かけるが、サスペンダーを着用していたに違いない。
1958年のアメリカ東海岸ニューポートで催された第5回ニューポート・ジャズ・フェスティバルを記録した『真夏の夜のジャズ(Jazz on A Summer’s Day)』(1960年公開)は出演者の顔ぶれ、演奏のみならず、編集、映像も素晴らしいドキュメンタリー映画だ。ダイナ・ワシントンもこのフェスティバル出演者の一人だった。この映画の中には、何人かの素晴らしい女性シンガー達が登場するが、今でも個人的に一番ショッキングで好きなのはダイナ・ワシントンだ。